Amazonギフトカード贈呈のICL手術アンケート実施中

脱毛サロン・エタラビが倒産した理由をビジネスモデルから解説

東大を卒業後、戦略コンサル・VCで勤務していた「チルbot」です!

皆さんは、何かを買ったり、サービスを選ぶ際にどのような基準で決めますか?

私の場合、まずはその商品/サービスの運営会社、そして業界全体の分析を行います。運営会社の経営状況や拡大状況を分析すると、表面的な商品/サービスからは一見して見えないリスクが見えてくるからです。

これは脱毛クリニックの検討では特に重要です。実は経営難に陥り破産/倒産した脱毛サロン/クリニックは数多く、先払いした脱毛サービスが受けられず、返金もされない最悪の状況に追い込まれてしまった被害者がたくさんいるのです。

今回は、2017年に倒産した脱毛サロン・エタラビことエターナルラビリンスについて、破産に至った経緯や破産の原因の考察/分析を行ってゆきます。実は破産以前にもあった悪いシグナルはなんだったのでしょうか?非常に示唆に溢れており、脱毛を考えている方であれば絶対に知っておいて損はないと断言します。

脱毛を検討している方はもちろん、ビジネスパーソンの方にも役立つ内容になっているはずです。

(※脱毛含む様々な経験/分析の中でも最もおすすめなのが裸眼生活が手に入るICL手術です、是非こちらから合わせてご覧ください)

※ステマ規制への対応方針:当サイトの運営にあたっては、実体験を元に公平性/客観性を心掛け、読者の皆様を第一に取り組んでいます。商品提供や広告依頼を受け、広告/PRの内容が含まれることもありますが、コンテンツの基準や判断軸には一切関与させておりません。

目次 表示

はじめに|脱毛サロン選びには経営状況の安全性が最重要

2024年12月にアリシアクリニックが破産を申請したニュースは、脱毛業界に大きな衝撃をもたらしました。実は以前からもミュゼプラチナムやエタラビ、脱毛ラボなど、多くの脱毛サロンが経営難や破産をしています。こうした状況からもわかるように、脱毛サロン・クリニックを選ぶ際には「経営状況の安全性」をチェックすることが何より重要なのです。

本記事では、そんな倒産・破産が相次ぐ脱毛業界において2024年12月に破産申請を行い衝撃を与えたアリシアクリニックを取り上げ、会社情報や歴史、破綻前から明らかだった経営リスクの有無などを分析します。

あわせて、近年の業界動向や安全な脱毛サロン選びのポイント、そして筆者が最も信頼できると考えるSBCメディカルグループの最大手ブランド湘南美容クリニックについてもご紹介します。さらに、過去の破産事例でも全額保証を受けられた実績があるMarriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの活用法も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

全国225院に展開

2023年にゴリラクリニックを買収、2024年に上場を果たした国内最大手・SBCメディカルグループの最大ブランド。上場により経営状況の透明性とガバナンスが担保、突然の倒産リスクが極めて低い

エタラビの倒産騒動がおこあった理由。

早速ですが、エタラビが2017年に倒産してしまった理由は以下の通りです。

エタラビが倒産した理由
  1. 広告宣伝費・固定費の増大
  2. 解約希望会員への返金拒否や誇大広告による業務停止命令
  3. 信用低下による解約急増

簡潔には以上終了なのですが、今回の記事の目的は「皆さんが脱毛サロンやクリニックを選ぶときに身を守れるようになってもらうこと」です。自分ごととして理解を深めるために、脱毛サロンの倒産や閉店について詳しく説明したいと思います。

脱毛を含むエステティック業の倒産や閉店は多い

実は脱毛サロンやクリニックの倒産や閉店/閉業は非常に多いのです。

脱毛クリニック・サロンの倒産は全体的に増えている

2024年に東京商工リサーチが実施した「エステティック業倒産動向調査」によると、脱毛サロン・クリニックを含んだエステティック業の倒産は、2024年に99件で過去最多となっています。

同様の調査は2019年にも「2019年エステティック業倒産動向調査」として行われていますが、2019年に73件で過去最多となっていた倒産数はコロナ禍で一服したものの、2023年、2024年と過去最多を更新しています。

これはおそらく、コロナ禍における補助金や支援金により一時的に倒産が抑制されたものの、支援策の終了後に実態としてのビジネスが持続できず倒産が増加したことが要因と考えられます。

小規模な個人の脱毛サロンの倒産が増えている

そして2019年調査では、倒産したエステの負債総額は29億2,200万円でしたが、その内訳は負債1億円以上の大規模なものが5件、負債1億円未満の比較的小規模なものが68件で全体の9割以上となっており、小規模な個人サロンの倒産が進んでいることがわかります。

エステティックサロンは参入障壁が低く、個人経営の個人サロンが増えていますが、施術内容の差別化ができないため顧客獲得が難しく、顧客獲得に費やす広告費などがかさんで倒産してしまうパターンが増えているのです。

大規模な脱毛クリニックの倒産も大きな話題・社会問題に

近年では大規模クリニックの倒産も世の中を騒がせています。2024年12月に破産した医療脱毛サロン「アリシアクリニック」運営会社2社の倒産では、約10万人が被害を受けました。

また、「全身脱毛サロンC3」運営の株式会社ビューティースリー(2023年9月破産、負債80億円)の被害者(債権者)は約4万6,000人、「脱毛ラボ」運営の株式会社セドナエンタープライズ(2022年8月破産、負債60億円)は約3万人、「銀座カラー」運営の株式会社エム・シーネットワークスジャパン(2023年12月破産、負債58億5,700万円)は約10万人など、大型倒産で被害者の多さが目立ちます。

有名タレントなどを起用した脱毛サロンの施術契約を信頼し、多額の前払金を支払い、未施術分が残ったまま倒産してトラブルに発展しているのです。

脱毛サロン/クリニックの倒産の影響

脱毛サロンが破綻すると、顧客が前払いした施術代の返金は困難なケースが大半です。被害者は2023年〜2024年の2年超で少なくとも約27万人に達し、信販会社やクレジットカード会社との対応に追われる利用者も少なくありません。脱毛サービス自体に対する消費者の信頼感が低下し、業界全体への不信感が広がる結果となっています。

脱毛サロン/クリニックの撤退・閉店も増えている

そして倒産や破綻まで至らずとも、事業がうまくいかずに撤退/閉店してしまうケースも増えています。

特に最近では、元NEWSの手越祐也さんがプロデュースする「TEGOSHI BEAUTY SALON」だけでなく、俳優の新田真剣佑さんがプロデュースする「AmSALON」など、有名人・芸能人の人気や知名度を武器にした脱毛サロンやクリニックが増えていますが、軒並み撤退に追い込まれているのです。

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴

なぜ脱毛サロンやクリニックの倒産や撤退が相次いでいるのでしょうか?まずはその前提として、脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴を理解することが重要です。

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴
  1. 根本的な差別化が難しく参入障壁が低い
  2. 広告費を中心とした費用が先出する
  3. キャッシュは中長期的に回収する
  4. 黒字化まで時間がかかり中長期目線の経営が必要

これらの特徴については以下で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

①根本的な差別化が難しく参入障壁が低い

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴の1つ目は、「根本的な差別化が難しく参入障壁が低い」です。

まず差別化については、多くのサロンやクリニックが提供する脱毛サービス(例えば、レーザー脱毛、光脱毛、ニードル脱毛)は、基本的に標準化された同じ技術に基づいており、機器についても最新のレーザー機器や光脱毛器が多くのサロンで採用されています。つまりサロンやクリニック間で提供する施術内容に大きな差異が生まれにくいのです。

さらに参入障壁については、大規模な設備投資や高額なライセンス費用が不要なため、比較的少ない資本で新規参入が可能で、小規模な個人サロンが次々と市場に出現しています。

これにより、脱毛サロン/クリニックはサービスの質や内容での差別化が難しく、広告投資による知名度競争や価格競争に陥りやすくなるのです。この点が2つ目の特徴に繋がっていきます。

②広告費を中心とした費用が先出する

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴の2つ目は、「広告費を中心とした費用が先出する」です。

脱毛サロン/クリニックの運営に必要な費用としては主に以下のようなものがありますが、このうち大きな割合を占め、かつ重要度が高いものが「広告費」です。

脱毛サロン・クリニックの主な費用
  1. 広告費
  2. 店舗賃料
  3. リース料(脱毛機器を借りている場合)、または減価償却費(脱毛機器を購入した場合)
  4. 人件費

脱毛サロン・クリニックを開業しただけでは当然お客さんは来てくれないので、広告やプロモーション、キャンペーンで認知を広げ、来客を促進する必要があります。こうした活動全般にかかる費用が広告費です。上記のように根本的な差別化が難しく競合も多い中で、各社が様々な広告や、割引クーポンなどのプロモーションを行っています。

当然ですが、広告費を用いた活動の結果、お客さんが来店・契約をしてくれないと収益は発生しません。そのため収益を得るよりも先に広告費や店舗賃料、リース料、人件費などの費用が必要となり、お客さんが来るまで永遠にその費用を支払い続けなければいけなくなります。

このように広告で獲得した顧客と契約し、多額の前払金を運転資金に充てる手法で事業を拡大している脱毛サロンも多いですが、契約数が鈍化すると、出店費用や広告費などが負担になり、前払金を返金できない状況に陥るのです。

③キャッシュは中長期的に回収する

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴の3つ目は、「キャッシュは中長期的に回収する」というものです。

種類にもよりますが、脱毛には10万円以上の費用が必要となります。多くの人にとっては高額に感じられるでしょう。

光脱毛
(美容脱毛)
ニードル脱毛
(電気脱毛)
レーザー脱毛
処置光で毛根にダメージを与える針を刺し電流で一本ずつ処理レーザー光で毛根を破壊する
特徴2000年代に登場した
最も新しい脱毛方法。
近年でも新しい手法が登場。
150年近い歴史を持つ脱毛方法で、
ダンディハウス・メンズTBCなど
歴史あるクリニックが主流
1980年代に登場した
比較的新しい脱毛方法。
費用は高額でお試しはない
自己処理を減らすために
必要な通院数と費用
8〜10回
(8〜10万円)
5〜6回
(15〜20万円)
5〜6回
(7〜9万円)
ツルツルにするために
必要な通院数と費用
〜25回
(20-22万円)
〜15回
(25-35万円)
〜13回
(13-18万円)
脱毛の種類と費用の目安

そのため多くの脱毛サロン/クリニックは分割払いに対応しており、月々数千円から脱毛を受けられるプランも用意しています(4年間で48回分割払いものプランも多いです)。つまり脱毛サロン・クリニックは一度にまとまった現金収入を得る場合だけではなく、分割された金額を少しずつ回収する場合も多いということです。

例えば現金支払いのラーメン屋であれば、ラーメンを提供した瞬間に収益が発生して現金を回収することができますが、脱毛サロンの場合はゆっくり時間をかけて現金を回収しなければいけないのです(※ファクタリングサービスなどを使っている事業者も多いとは思いますが、いずれにせよキャッシュフローを圧迫することには変わりません)。

④黒字化まで時間がかかり中長期的な経営が必要

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴の4つ目は、「黒字化まで時間がかかる」というものです。

上述したように、脱毛サロン/クリニックにはお客さんを呼ぶための費用が先に必要となり、その結果お客さんが脱毛サービスに契約してくれてもすぐに全額を回収できるわけではなく、現金を少しずつ回収していく形になります。

そのため、広告が成功してお客さんを呼び込めたからと言ってすぐにその利益が発生するわけではなく、中長期的に時間をかけて利益を回収していくようなモデルになるのです。結果として、中長期目線でのシミュレーションを組んで、売上や利益など目先の誘惑に負けずにコツコツと経営をしていく必要があると考えられます。

後述しますが、こうした中長期的な経営ができず、誘惑に負けて出店やプロモーションを急ぎ、キャッシュフローを圧迫してしまうことが脱毛サロン・クリニックの倒産の主な理由だと考えられます。

脱毛サロン/クリニックのリスク/危険性

脱毛サロン/クリニックのビジネスモデルの特徴を踏まえ、倒産や撤退に直結するその中に潜んだリスクや危険性を説明したいと思います。

脱毛サロン/クリニックのリスク/危険性
  1. 競争環境の激化
  2. 顧客の取り合いによる低価格競争、広告費の高騰
  3. 短期目線の経営によるキャッシュフローの圧迫

これらの特徴については以下で詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

①競争環境の激化

脱毛サロン/クリニックのリスクの1つ目は「競争環境が激化していること」です。

最近では、ローランドさんなど有名人・芸能人が脱毛サロンのプロデュースを始めたりと、脱毛業界への新規参入が増えています。Youtubeなどで脱毛サロンの広告やキャンペーンを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

当然その結果成功するかは別問題なのですが、以下のような理由から脱毛業界は参入障壁が比較的低いのです。

 脱毛業界の新規参入のハードルが低い理由
  1. 在庫不要で低リスク
  2. 人材育成が容易
  3. 多数乱戦の業界構造
  4. 脱毛器具・機械の低価格化

そして参入障壁が低いということは、参入する事業者が増える、つまり競合・ライバルが増えやすいということです。

脱毛に対するニーズは増えているものの、当然脱毛サロンやクリニックの数が増えれば、そのニーズを抱えているお客さんの取り合いになります。脱毛業界は、競合が多いレッドオーシャンの厳しい競争環境になりつつあるのです。

②顧客の取り合いによる低価格競争、広告費の高騰

脱毛サロン/クリニックのリスクの2つ目は「顧客の取り合いにより低価格競争や広告費の高騰が進んでいること」です。

脱毛業界の競争環境が激化しているということは伝えさせていただきましたが、そうした環境で脱毛サロンやクリニックはどうすれば良いのでしょうか?他よりも安くサービスを提供したり、大々的な広告やキャンペーンを実施して、自分達のサロンやクリニックに目をつけてもらうようにしなければいけません。

当然低価格化は収益を圧迫しますし、様々なサロンやクリニックが広告の希望を出すと、広告費が高騰するだけでなく、広告のパフォーマンス・効果も悪化してしまうはずです。

③短期目線の経営によるキャッシュフローの圧迫

脱毛サロン/クリニックのリスクの3つ目は「短期目線の経営によりキャッシュフローを圧迫してしまうこと」です。

解説した通り、脱毛サロン・クリニックは黒字化まで時間がかかるため中長期的な経営が必要です。お客さんが来てくれているからと言ってキャッシュをすぐに回収できるわけではなく、すぐに利益が出るわけでもありません。

しかし調子が良く見えると成功を急いでしまうのが人間の性です。

「もっと広告費を掛ければもっとお客さんが来てくれるのではないか」

「店舗を出店すればさらに規模拡大できるのではないか」

「ライバルが出てくる前にもっと投資をして絶対的なポジションを築くべきではないか」

こうした悪魔の囁きに負けてしまい、広告費の増加や急速な出店など規模拡大へと向かってしまいます。そしてそのための追加費用が短期的に必要になるものの、上手くいかずに収益やキャッシュを回収できず債務超過に陥ってしまうのです。これは脱毛サロンやクリニックだけでなく、あらゆるビジネスに共通する典型的な失敗パターンです。

そしてこうした誘惑はうまく行っている時に来るからこそ冷静な判断ができなくなってしまいます。「これだけお客さんが来ているのだから、広告費や店舗数を増やせばもっとうまくいくだろう」と考えてしまいがちなのです。

そのため私は、脱毛サロンやクリニックはきらびやかに見えますが、質実剛健な経営者の方が成功すると考えています。

エタラビ(エターナルラビリンス)の破産/倒産騒動とその原因

こうしたリスクや危険性から倒産に至ってしまった脱毛サロン・クリニックはいくつかありますが、そのうち代表的なものが2017年4月5日の「エタラビ(エターナルラビリンス)」の倒産です。

エタラビ(エターナルラビリンス)とは

「エタラビ」は、全国に100店舗のを展開していた女性専用脱毛サロンです。

山下智久さん、鉢嶺杏奈さんなどの著名なタレントをイメージキャラクターに起用するなど、積極的な広告プロモーションで規模を拡大していました。そして東京・神奈川・大阪・宮城・福岡などの大都市に店舗を展開していました。

エタラビ(エターナルラビリンス)の運営会社

エタラビの運営会社は株式会社グロワール・プリエ東京でした。

グロワール・プリエ東京は、元ホストという異色の経歴をもつ下田友洋氏によって2003年12月に設立されます。規模拡大を続けるものの、2016年に特定商取引法違反で9ヶ月の業務停止命令を受けたことをきっかけに資金繰りが悪化、脱毛サロン事業を株式会社RVHに譲渡したのち、事業継続が不可能となって2017年3月に破産を申請しました。そして2019年には破産手続きが終わり法人格が消滅しています。

グロワール・プリエ東京は、「エターナル・ラビリンス(通称エタラビ)」という女性専門脱毛サロンを展開していましたが、子会社のミスプレミアムは「ラットタット(ra・tt・at)」という同じく脱毛サロンを展開していました。つまり2つの脱毛サロンブランドを抱えていたということです。

沿革
2003年・元ホストの下田友洋氏によって、2003年12月にグロワール・プリエ東京が創業。
2015年・2014年9月期に約28億円もの売上を上げる
2016年・2016年4月に山下智久さんと鉢嶺杏奈さんを起用したテレビCMが放映開始。
・8月に消費者庁から特定商取引法違反で9ヶ月間の業務停止命令の行政処分を受ける。
・2015年9月期には債務超過に陥る。
・9月23日に株式会社RVHから3億5,000万円の資金を借り入れる。
・期限の10月23日までに返済ができず、店舗などの資産が株式会社RVH下のミュゼプラチナムに譲渡されることが決まる。
2017年・3月24日にミュゼプラチナムへの事業譲渡が完了。事業継続が不可能に。
・3月28日に東京地方裁判所へ自己破産を申請、4月5日に破産手続き開始
2019年・6月26日に破産手続きが終了、法人格消滅。
エタラビ(エターナルラビリンス)と運営会社・株式会社グロワール・プリエ東京の歴史

エタラビ(エターナルラビリンス)の社長:下田友洋氏(2003年〜2017年)

エタラビを運営していた株式会社グロワール・プリエ東京の創業者、下田友洋氏の経歴を紹介します。

下田氏は1973年に生まれ、No.1ホストからエステ業界に転身、エタラビを創業します。「年収3000万円の元ホスト社長」としてテレビにも出演していたそうで、自宅は六本木ヒルズで家賃85万円だと話していたそうです。

エタラビの破産・倒産の経緯

そんなエタラビの倒産騒動については、事業譲渡などビジネス的な観点が深く関わっています。わかりやすく図解するとともに、年表でまとめてみたので、読み物を読む感覚でご覧いただけたらと思っています。

株式会社グロワール・ブリエ東京は、脱毛エステサロン「エターナルラビリンス」を全国に約100店舗展開していた。また、2012年からはまつげエクステサロン「MAQUIA(マキア)」の経営も開始していた。会員数は約9万人にのぼる。ゴージャスな雰囲気の店内で、比較的低価格で高級感を感じながら全身脱毛を行えるとして定評があったサロンだ。2014年9月期には、売上高約28億円をあげていた。

しかし、広告宣伝費や固定費の増大により、近年経営状態が悪化した。2016年には契約の途中で解約を希望した会員への返金拒否や虚偽誇大広告などが発覚、消費者庁から9か月間の一部業務停止命令を受けている。これにより解約が急増し、さらに財務や資金繰りが急速に悪化、事業を継続することは困難となった。

2016年9月には、広告事業やシステム開発を手掛ける株式会社RVH <6786> から借入を行い、店舗などの資産に担保権が設定されたRVHは、2015年12月に、美容脱毛サロン大手の「ミュゼプラチナム」を買収している。借入と同時にスポンサー支援に関する基本合意書を締結し、RVHとミュゼ社が従業員を引き受けた。

2017年3月24日には、株式会社グロワール・ブリエ東京とミュゼ社との間で事業譲渡契約を締結したことで、事業失態がなくなる。それにより事業継続が不可能となったこと、多額の債務があるとして、2017年3月28日、破産を申告した。

https://zuuonline.com/archives/148165
2003年

株式会社グロワール・プリエ東京の事業としてスタート

脱毛エステサロン「エタラビ(エターナルラビリンス)」を全国に100店舗展開していた株式会社グロワール・ブリエ東京は、2017年の4月5日に破産手続きを開始して倒産しています。会員数は9万人で、2014年9月期には約28億円もの売上高をあげていましたが、それから3年で倒産に向かってしまうこととなります。

2014年

矢田亜希子さんをイメージキャラクターに起用

2014年には女優の矢田亜希子さんをイメージキャラクターに起用し、CMを展開します。


矢田亜希子さんのブログでは、2013年の10月にエタラビを訪れて下田社長にも挨拶をしたことが書かれていました。

ここ、「エターナル・ラビリンス」というお店♪

お洒落なお店ですよね♪

今回は特別に下田社長さんにも御挨拶させて頂きました。

https://ameblo.jp/akiko-yada/entry-11641886388.html


タレントにとっては仕事ですし悪気はないのでしょうが、倒産騒動でたくさんの被害者を出したサービスを広めていた社会的責任は無視できないはずです。最近仮想通貨のCMに大谷翔平さんが出演していたことも話題になっていましたが、できれば仕事は選んでほしいなと思っています。

2015年

売上高が28億円を突破

こうした広告活動の成果もあってか、2015年には売上高が28億円を突破しました。

更なる成長を目論んで2016年には更なる広告展開を行いますが、これがエタラビ破産の始まりでした。

2016年

有名タレントをイメージキャラクターに起用

2016年、エタラビは元NEWSの山下智久さんと女優の鉢嶺杏奈さんをイメージキャラクターに起用し、新しいCMシリーズを展開しました。

そして、渋谷駅前に巨大な屋外広告を出したり、宣伝トラックを走らせたりと、派手なプロモーションを実施していました。

2016年には、競合となる「キレイモ」はぺこ&りゅうちぇるさんを、「ミュゼ」は池田エライザさんをと、脱毛サロンが次々と有名タレントを起用していました。そしてこれらの脱毛サロンは全て事業売却に追い込まれることとなります。

後述しますが、私はこうした有名タレント起用という誘惑やマス広告への投資が、脱毛サロンの破産の引き金になっていると分析しています。

2016年8月

消費者庁から行政処分を受ける

こうした派手なプロモーションの最中、エタラビに関するニュースが世の中を包みました。

何と、エタラビが特定商取引法違反で消費者庁から業務停止命令の行政処分を受けたのです。結果として、新規勧誘の契約が8月25日から9ヶ月間行えなくなってしまいました。

特定商取引法違反の具体的な内容としては7つの違反が挙げられており、代表的なものとしては以下の通りです。

エタラビの特定商取引法違反の主な内容
  • ホームページや広告で月額9,500円で全身脱毛が受けられると記載していたが、これは代金を一括で払った場合の1ヶ月当たりの金額であり、分割払いでは月額9,500円とはならなかった
  • 「間違いなく予約が取れます」などと告げていたものの、店舗の店舗の脱毛器具数、施術部屋数、エステティシャンの人数等が会員数に対して圧倒的に少なく、予約を取ることが困難な状況だった。
  • クーリング・オフや解約をした会員に対して、返金拒否や返金遅延をおこなっていた

消費者庁リリースより

2016年9月

債務超過で資金借入、返済ができず店舗が差し押さえられる

そしてエタラビは、業務停止命令前の2015年9月期(2015年9月〜2016年8月)に債務超過に陥っていたことも判明しました。山下智久さん、鉢嶺杏奈さんを起用した広告費用が高くついてしまったのでしょう。

追い込まれたエタラビは、9月23日に店を店舗にして株式会社RVHから3億5,000万円の借入を行いました。RVHはグラフィックボードの製造やゲーム開発などを手掛ける会社であり、2016年1月にはミュゼプラチナムの事業譲渡を受けて脱毛サロン業界に参入していた会社です。

しかし返済期限である10月23日までに返済ができず、担保である店舗などの資産は差し押さえられ、RVH傘下のミュゼプラチナムに店舗などが譲渡されることとなりました。もうエタラビは事業継続ができなくなってしまったのです。

裏話ですがエタラビから事業譲渡を受けたRVHは、その後2020年に脱毛事業をG.Pホールディングに売却しています。脱毛事業で500億円近い売上高を上げていたものの赤字のままで、黒字化は不可能と判断したのでしょう(その意味では私はミュゼプラチナムは近いうちにまた騒動があるのではと思っています)。

2017年

破産手続き開始

そして2017年3月24日にミュゼプラチナムへの事業譲渡が完了。完全に事業継続が不可能になり、株式会社グロワール・プリエ東京は3月28日に東京地方裁判所へ自己破産を申請、4月5日に破産手続きを開始します。

破産申請時の負債総額は97億7335万円、当時としてはエステ関連企業の倒産で過去2番目の負債額でした。

2019年

法人格消滅

そして2019年5月にグロワール・ブリエ東京は債権者に対する最終配当を完了しました。これによって6月26日に破産手続きが終了、法人格が消滅し、株式会社グロワール・ブリエ東京は文字通り消えて無くなったのです。

エタラビの倒産騒動の理由と原因

こうしたエタラビの倒産騒動は非常に示唆に溢れており、脱毛サロンを選ぶ際にも大きな参考になります。倒産騒動の理由について、私は以下のように分析しています。

エタラビが倒産した理由
  1. 有名タレント起用に伴う多額の広告費
  2. モラルを欠いた企業活動が産んだ業務停止命令
  3. 信用低下による解約急増

有名タレント起用に伴う多額の広告費

まず1つ目は「有名タレント起用に伴う多額の広告費」があったことです。

上述の通りエタラビは、2014年に矢田亜希子さんを、2016年には山Pこと山下智久や鉢嶺杏奈さんをイメージキャラクターに起用するなど積極的な広告活動を行なっていました。

しかし、多額の広告にかけた費用はすぐになくなってしまいますが、その結果得られる収益は時間をかけて回収されるというのは説明した通りです。結果として2015年9月期には既に債務超過に陥ってしまっていました。

余談ですが、2016年には、競合となる「キレイモ」はぺこ&りゅうちぇるさんを、「ミュゼ」は池田エライザさんをと、脱毛サロンが次々と有名タレントを起用していました。

おそらく広告代理店が「競合は有名タレントを起用していますよ」などと耳打ちして、多くの脱毛サロンがタレントを起用したのでしょう。その結果、これらの脱毛サロンは全て事業売却や倒産に追い込まれているのです。

モラルを欠いた企業活動が産んだ業務停止命令

2つ目は「モラルを欠いた企業活動が産んだ業務停止命令」です。

2016年8月には、月単位の契約ができないのに「月額9,500円」と虚偽誇大広告をしていたり、クーリングオフを不当に遅らせるなど7つの違反行為によって消費者庁から9ヶ月の業務停止命令を受けてしまいました。当時脱毛サロンに対する9ヶ月の業務停止命令は異例であり、その間は売上を上げることができない状況に追い込まれます。

そして業務停止命令を受ける前から、エタラビに関する消費者相談センターへの相談やクーリングオフは相次いでいたそうです。つまり業務停止命令は明るみになったきっかけであって、モラルを欠いた、ずさんな企業活動が長く行われていたのだと思います。こうした企業の文化形成は不可逆であり、設立時からその予兆はあったはずです。

信用低下による解約急増

3つ目は「信用低下による解約急増があったこと」です

当然こうした違反行為の発覚や業務停止命令は、企業やサロンの信頼を失墜させます。新規顧客が獲得できなくなっただけではなく既存顧客からの解約も相次ぎ、9ヶ月を待たずして2017年の3月に破産申告をする形となりました。

エタラビの倒産・破産で返金はされた?

エタラビの倒産後、お客さんが支払った料金は返金されたのでしょうか?エタラビの契約では、脱毛料金を分割して支払うようになっており、解約を希望しても支払い済みの施術料金の返金は極めて難しくなってしまっていました。

借入を行ったRVHが運営するミュゼで脱毛サービスを受けられる便宜は図られたようですが、料金を支払い済みであっても定価の38%の追加料金を支払う必要があったようです。

通っている脱毛サロンが倒産したときに返金ができるか、支払い停止ができるかなどの対応についてはこちらの記事で解説しているので、脱毛を検討している方はぜひみていただけたらと思っています。

倒産の危険がある脱毛サロン・クリニックは絶対に選んではいけない!

このように、万が一通っている脱毛サロンが潰れる・破産する・倒産するようなことがあった場合には、返金もされず、サービスも受けられないことが一般的です。

過去にはエタラビや脱毛ラボが倒産した際には、弁護士を通じて集団訴訟を検討する方もいたようですが、そもそもその手間暇は果てしなく、結局は泣き寝入りになってしまうことが多いはずです。

そのため、私は脱毛を検討している方には「倒産や破産のリスクがないサロンやクリニックを選ぶこと」を他のどんなことよりも大切にしてほしいと考えています。これは実際に世の中で起こった事実なのです。

【筆者おすすめ】最も信頼できるSBCメディカルグループとは?

SBCメディカルグループは、2023年にゴリラクリニックを買収した名実ともに国内最大規模の美容医療法人です。そしてグループ各クリニックの中でも、SBCメディカルグループの本体・湘南美容クリニック業界最大級の規模を誇ります。

SBCメディカルグループの特徴
  • 全国120院以上を展開する大手グループ
  • 年間来院数は500万人超(国内最大規模)
  • 多角的な事業展開(美容医療のほか、AGA治療・歯科・婦人科など)
  • 大手ゆえに資金力があり、倒産リスクが低い

実際、2024年末のアリシアクリニック破産のように、中堅の脱毛クリニックでも経営が立ち行かなくなるケースはあり得ます。一方、巨大資本を背景に全国展開しているクリニックは、仮に一部院が赤字になってもグループ全体でリスクを吸収できる体制が整っていることが多いです。

「絶対に潰れない」クリニックは存在しないものの、SBCメディカルグループは業界内でもトップクラスの経営規模を誇るため、経営破綻リスクをより小さくしたい方におすすめです。

1分で予約完了

※カウンセリングで脱毛の可否や料金がわかります

まとめ

エタラビの破産騒動について、その理由や原因を説明させていただきました。

こうしてビジネス的な側面から見てみると、「事業譲渡を繰り返している脱毛サロンは選ばない方が良い」など新しい側面が見えてくるのではないでしょうか。他のポイントも含めて脱毛を検討している方に向けた選び方や基準はこちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください!

error: Content is protected !!