
東大を卒業後、戦略コンサル・VCで勤務していた「チルbot」です!
脱毛は老若男女問わず急速に広まっており、脱毛サロンやクリニックを検討している方も多いと思います。
しかし実は脱毛サロンやクリニックは倒産して潰れる、事業が上手くいかず撤退・閉店するケースが非常に多く、そうした場合は返金や脱毛サービスが受けられないという最悪のリスクも発生してしまうのです。
実は、ぺこ&りゅうちぇるさん、渡辺直美さん、千鳥さんなどを起用した美容脱毛サロン・キレイモもかつて倒産騒動や経営難を報じられたことがあったのです。ビジネスの目から見た時のキレイモを取り巻く暗雲とは一体何なのでしょうか?非常に示唆に溢れており、脱毛を考えている方であれば絶対に知っておいて損はないと断言します。
キレイモの倒産騒動・経営難の真相、キレイモは本当に信頼できるのかどうか、脱毛サロンのビジネスモデルや危険性なども含めて徹底解説したいと思います。
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キレイモの倒産騒動が起こった理由
全国最大店舗数を誇る女性用脱毛サロン、キレイモは2022年に破産騒動が起こり、結果として2022年の9月に一部店舗を事業譲渡した上で今もサービス運営を行なっています。
そんなキレイモの倒産騒動が起こった理由は以下の通りだと推察しています。
- 過度な広告という無理ある規模拡大のシグナルがあった
- 基本的には良いシグナルではない事業譲渡に至った
簡潔には以上終了なのですが、今回の記事の目的は「皆さんが脱毛サロンやクリニックを選ぶときに身を守れるようになってもらうこと」です。そして、キレイモでの脱毛には慎重になって方がいいと言うのが私の意見です。
自分ごととして理解を深めるために、脱毛サロンの倒産や閉店について詳しく説明したいと思います。
脱毛を含むエステティック業の倒産や閉店は多い
実は脱毛サロンやクリニックの倒産や、倒産まで至らずとも閉店・閉業は非常に多いです。
脱毛クリニック・サロンの倒産は増えている
2019年に東京商工リサーチが実施した「2019年エステティック業倒産動向調査」によると、脱毛サロン・クリニックを含んだのエステティック業の倒産は、2019年に73件で過去最多となったそうです。

負債総額は29億2,200万円でしたが、その内訳としては負債1億円以上の大規模なもの5件、そして負債1億円未満の比較的小規模なものが68件で全体の9割以上となっており、小規模な個人サロンの倒産が進んでいることがわかります。
エステティックサロンは参入障壁が低く、個人経営の個人サロンが増えていますが、施術内容の差別化ができないため顧客獲得が難しく、顧客獲得に費やす広告費などがかさんで倒産してしまうパターンが増えているのです。
脱毛クリニック・サロンの撤退・閉店も増えている
そして倒産まで至らずとも、事業がうまくいかずに撤退・閉店してしまうケースも増えています。
特に最近では、元NEWSの手越祐也さんがプロデュースする「TEGOSHI BEAUTY SALON」だけでなく、俳優の新田真剣佑さんがプロデュースする「AmSALON」など、有名人・芸能人の人気や知名度を武器にした脱毛サロンやクリニックが増えていますが、軒並み撤退に追い込まれているのです。
脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴
なぜ脱毛サロンやクリニックの倒産や撤退が相次いでいるのでしょうか?
まずはその前提として、脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴を説明したいと思います。
- 広告費を中心とした費用が先出する
- キャッシュは中長期的に回収する
- 黒字化まで時間がかかり中長期的な経営が必要
それでは順番に解説していきたいと思います。
広告費を中心とした費用が先出する
脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴の1つ目は、「広告費を中心とした費用が先出する」というものです。
脱毛サロン・クリニックの運営に必要な費用としては主に以下のようなものがありますが、このうち大きな割合を占め、かつ重要度が高いものが「広告費」です。
- 広告費
- 店舗賃料
- リース料(脱毛機器をリースしている場合)、または減価償却費(脱毛機器を購入した場合)
- 人件費
脱毛サロン・クリニックを開業しただけでは当然お客さんは来てくれないので、広告やプロモーション、キャンペーンで認知を広げ、来客を促進する必要があります。こうした活動全般にかかる費用が広告費です。
そして、広告費を用いた活動の結果、お客さんが来店・契約をしてくれないと収益は発生しません。そのため収益を得るよりも先に広告費や店舗賃料、リース料、人件費などの費用が必要となり、お客さんが来るまで永遠にその費用を支払続けなければいけなくなります。
キャッシュは中長期的に回収する
脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴の2つ目は、「キャッシュ(現金)は中長期的に回収」というものです。
種類にもよりますが、脱毛には10万円以上の費用が必要となります。多くの人にとっては高額に感じられるでしょう。
光脱毛 (美容脱毛) | ニードル脱毛 (電気脱毛) | レーザー脱毛 | |
---|---|---|---|
処置 | 光で毛根にダメージを与える | 針を刺し電流で一本ずつ処理 | レーザー光で毛根を破壊する |
特徴 | 2000年代に登場した 最も新しい脱毛方法。 近年でも新しい手法が登場。 | 150年近い歴史を持つ脱毛方法で、 ダンディハウス・メンズTBCなど 歴史あるクリニックが主流 | 1980年代に登場した 比較的新しい脱毛方法。 費用は高額でお試しはない |
自己処理を減らすために 必要な通院数と費用 | 8〜10回 (8〜10万円) | 5〜6回 (15〜20万円) | 5〜6回 (7〜9万円) |
ツルツルにするために 必要な通院数と費用 | 〜25回 (20-22万円) | 〜15回 (25-35万円) | 〜13回 (13-18万円) |
そのため多くの脱毛サロン・クリニックは分割払いに対応しており、月々数千円から脱毛を受けられるプランも用意しています(4年間で48回分割払いものプランも多いです)。つまり脱毛サロン・クリニックは一度にまとまったお金を支払ってもらえる場合ばかりではなく、分割された金額を少しずつ回収していくような場合も多いということです。
例えば現金支払いのラーメン屋であれば、ラーメンを提供した瞬間に収益が発生して現金を回収することができますが、脱毛サロンの場合はゆっくり時間をかけて現金を回収しなければいけないのです(※ファクタリングサービスなどを使っている事業者も多いとは思いますが、いずれにせよキャッシュフローを圧迫することには変わりません)。
黒字化まで時間がかかり中長期的な経営が必要
脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴の3つ目は、「黒字化まで時間がかかる」というものです。
上述したように、脱毛サロン・クリニックにはお客さんを呼ぶための費用が先に必要となり、その結果お客さんが脱毛サービスに契約してくれてもすぐに全額を回収できるわけではなく、現金を少しずつ回収していく形になります。
そのため、広告が成功してお客さんを呼び込めたからと言ってすぐにその利益が発生するわけではなく、中長期的に時間をかけて利益を回収していくようなモデルになるのです。結果として、中長期目線でのシミュレーションを組んで、売上や利益など目先の誘惑に負けずにコツコツと経営をしていく必要があると考えられます。
後述しますが、こうした中長期的な経営ができず、誘惑に負けて出店やプロモーションを急ぎ、キャッシュフローを圧迫してしまうことが脱毛サロン・クリニックの倒産の主な理由だと考えられます。
脱毛サロン・クリニックのリスク・危険性
脱毛サロン・クリニックのビジネスモデルの特徴を踏まえ、倒産や撤退に直結するその中に潜んだリスクや危険性を説明したいと思います。
- 競争環境の激化
- 顧客の取り合いによる低価格競争、広告費の高騰
- 短期目線の経営によるキャッシュフローの圧迫
こちらも順番に解説していきたいと思います。
競争環境の激化
脱毛サロン・クリニックのリスクの1つ目は「競争環境が激化していること」です。
最近では、ローランドさんなど有名人・芸能人が脱毛サロンのプロデュースを始めたりと、脱毛業界への新規参入が増えています。Youtubeなどで脱毛サロンの広告やキャンペーンを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
当然その結果成功するかは別問題なのですが、以下のような理由から脱毛業界は参入障壁が比較的低いのです。
- 在庫不要で低リスク
- 人材育成が容易
- 多数乱戦の業界構造
- 脱毛器具・機械の低価格化
そして参入障壁が低いということは、参入する事業者が増える、つまり競合・ライバルが増えやすいということです。
脱毛に対するニーズは増えているものの、当然脱毛サロンやクリニックの数が増えれば、そのニーズを抱えているお客さんの取り合いになります。脱毛業界は、競合が多いレッドオーシャンの厳しい競争環境になりつつあるのです。
顧客の取り合いによる低価格競争、広告費の高騰
脱毛サロン・クリニックのリスクの2つ目は「顧客の取り合いにより低価格競争や広告費の高騰が進んでいること」です。
脱毛業界の競争環境が激化しているということは伝えさせていただきましたが、そうした環境で脱毛サロンやクリニックはどうすれば良いのでしょうか?他よりも安くサービスを提供したり、大々的な広告やキャンペーンを実施して、自分達のサロンやクリニックに目をつけてもらうようにしなければいけません。
当然低価格化は収益を圧迫しますし、様々なサロンやクリニックが広告の希望を出すと、広告費が高騰するだけでなく、広告のパフォーマンス・効果も悪化してしまうはずです。
短期目線の経営によるキャッシュフローの圧迫
脱毛サロン・クリニックのリスクの3つ目は「短期目線の経営によりキャッシュフローを圧迫してしまうこと」です。
解説した通り、脱毛サロン・クリニックは黒字化まで時間がかかるため中長期的な経営が必要です。お客さんが来てくれているからと言ってキャッシュをすぐに回収できるわけではなく、すぐに利益が出るわけでもありません。
しかし調子が良く見えると成功を急いでしまうのが人間の性です。
「もっと広告費を掛ければもっとお客さんが来てくれるのではないか」
「店舗を出店すればさらに規模拡大できるのではないか」
「ライバルが出てくる前にもっと投資をして絶対的なポジションを築くべきではないか」
こうした悪魔の囁きに負けてしまい、広告費の増加や急速な出店など規模拡大へと向かってしまいます。そしてそのための追加費用が短期的に必要になるものの、上手くいかずに収益やキャッシュを回収できず債務超過に陥ってしまうのです。これは脱毛サロンやクリニックだけでなく、あらゆるビジネスに共通する典型的な失敗パターンです。
そしてこうした誘惑はうまく行っている時に来るからこそ冷静な判断ができなくなってしまいます。「これだけお客さんが来ているのだから、広告費や店舗数を増やせばもっとうまくいくだろう」と考えてしまいがちなのです。
そのため私は、脱毛サロンやクリニックはきらびやかに見えますが、質実剛健な経営者の方が成功すると考えています。
キレイモの倒産騒動について
こうしたリスクや危険性から閉店・撤退に至ってしまった脱毛サロン・クリニックはいくつかありますが、そのうち代表的なものの1つは、最も著名な脱毛サロンの1つ・キレイモの倒産騒動です。
キレイモとは
「キレイモ」は東京発で全国展開する女性専門の全身脱毛専用サロンです。
ぺこ・りゅうちぇるさん、板野友美さん、渡辺直美さん、堀田茜さん、千鳥さんなど著名なタレントを立て続けにイメージキャラクターに起用し、2021年には人気漫画「東京リベンジャーズ」とのコラボキャンペーンも展開しています。皆さんも「キレイモ」の名前は一度は聞いたり目にしたことはあるのではないでしょうか。
キレイモの運営会社
キレイモの運営会社は株式会社ヴィエリスですが、現在はGFA株式会社に一部店舗が譲渡され、2社で運営を行なっています。ヴィエリスは2012年に3人の創立メンバーと共に設立され、現在は水沼智博氏が社長を務めています。
キレイモの社長:吉福優氏(2013年〜2019年)
キレイモを運営する株式会社ヴィエリスの創業者、吉福優氏の経歴は以下のとおりです。
年 | 経歴 |
---|---|
大学在学時 | ・早稲田大学 |
大学卒業後 | ・早稲田大学卒業後、りそな銀行に入社 ・退社後、企業買収やM&Aに従事 ・従業員教育や育成を1から挑戦したいという想いが芽生える ・通っていたエステでの体験から、会社を辞めて東京青山のエステ専門学校へ入学 |
2012年 | ・株式会社ヴィエリスを創業 |
2019年 | ・佐伯真唯子に代表取締役社長を譲り退任 |
キレイモの社長:佐伯真唯子氏(2019年〜2021年)
そしてキレイモを運営する株式会社ヴィエリスの2代目CEO、佐伯真唯子氏の経歴は以下のとおりです。
女性が輝く会社づくりを目指し、2018年・2019年の2年連続で、国連N.Y.本部SDGs推進会議でスピーチも行っています。
年 | 経歴 |
---|---|
大学在学時 | ・北海道東海大学で海洋工学の研究を行う |
大学卒業後 | ・2003年に大学卒業後、大学のグループ企業に企画事務スタッフとして入社 ・通っていたエステでの体験から、会社を辞めて東京青山のエステ専門学校へ入学 |
2005年 | ・専門学校系列のサロンへ就職、その後銀座のスパへ転職 |
2012年 | ・創業メンバーとして脱毛サロンキレイモなどを運営する株式会社ヴィエリスに参画 |
2019年 | ・営業統括本部長、COOを経て2019年に代表取締役社長兼CEOに就任。 |
2021年 | 11月にヴィエリス売却後、退任。 |
キレイモの倒産騒動の経緯
そんなキレイモの倒産騒動については、事業譲渡などビジネス的な観点が深く関わっています。わかりやすく図解するとともに、年表でまとめてみたので、読み物を読む感覚でご覧いただけたらと思っています。

2012年:株式会社ヴィエリスの事業としてスタート
それではまずはキレイモの誕生から見ていきましょう。2012年11月、元代表取締役の吉福優氏の知人・片山徹氏によって株式会社ヴィエリスが設立され、1年半後の2014年2月28日にキレイモの1号展が新宿南口にオープンし、キレイモの歴史は始まりました。
2016年:ぺこ&りゅうちぇるのCM初出演となるCMを放映開始
そして2016年にはぺこ&りゅうちぇるさんにとって初めてのCM出演となったテレビCMを、沖縄県、鹿児島県、新潟県の3地域限定で放送開始、その後全国各地で放送し知名度を上げてゆきます。
そして翌年2017年には板野友美さんを、2018年には渡辺直美さんや堀田茜さんを、2019年には千鳥さんを立て続けにCMキャラクターに起用し、ぺこ&りゅうちぇるさんのテレビCMがきっかけで好循環が回り始めたことが見てとれます。
2022年4月:従業員への給与未払、顧客への返金遅延が報じられる
そんな順風満帆そうに見えたキレイモですが、2022年の4月に複数のメディアで顧客への未返金が報じられます。
皆様に謝罪しなくてはいけないことがございます」
「新型コロナの影響により、経営状況、資金繰り状態が悪化しております。新規顧客の獲得などからの、資金調達に全力で取り組んでおります」説明の中で「給与はすぐに支払う」「今後、遅延はないと約束する」と釈明していた社長。ところが、今月も同じことが繰り返されている。
https://times.abema.tv/articles/-/10022011
支払いが滞っているのは、従業員の給与だけではない。施術が18回に満たない場合、料金の一部が返金されるはずだが……
「去年の11月の頭に解約して10万円くらい返ってきてないです」
解約した際には「2カ月ほどで(返金する)と聞いてました。ただ、12月1日とかじゃなくて、12月頭といわれていたので『遅くても12月中旬とかには振り込まれるのかな?』って思っていたんですけど、いまだに入金がないです」
https://times.abema.tv/articles/-/10022011
新型コロナの影響で経営状況や資金繰りが悪化し、従業員への給与支払いが遅れていること、さらには途中解約したお客さんにも返金がされていないことが明るみになったのです。
コロナウイルスの影響で、飲食店やジムなど店舗型のビジネスは軒並み窮地に追い込まれてしまいました。店舗型の脱毛サロンを展開するキレイモも当然その影響を受けてしまったのです。
当時は運営会社幹部も匿名で取材に応じており、「倒産はしません。新しく協力していただけるスポンサーさまと連携して今、進んでいる段階です」と話していましたが、その後新しい展開を迎えます。
2022年9月:半数の店舗をGFA株式会社に事業譲渡
2022年9月28日、キレイモを運営する株式会社ヴィエリスは、借入金の代物弁済で27店舗をGFA株式会社に譲渡すると発表したのです。GFA株式会社は東京証券取引所スタンダード市場に上場する不動産投融資コンサルを営む会社です。
実はGFA株式会社は6月にヴィエリスが保有する総額3億4,900万円の割賦債権を取得しており、7,300万円を回収していましたが残額が回収できず、店舗の譲渡に至ったと推察されます。
店舗譲渡は発表されたものの、ヴィエリスの7月の全店売上は前年の10%に留まり、また顧客への返金対応も続いているなどキレイモを取り巻く不安は未だ続いたままです。
まとめ
以上、ミュゼプラチナムの歴史をまとめると以下の通りです。
キレイモは店舗の一部売却を経て、現在も不安定な状況にあるということがわかります。
年 | 出来事 |
---|---|
2014年2月 | 株式会社ヴィエリスにより、新宿南口に1号店をオープン |
2022年4月 | 従業員への給与の未払いや顧客への返金の遅れが報じられる |
2022年6月 | ヴィエリスが保有する総額3億4,900万円の割賦債権をGFA株式会社が取得 |
2022年9月 | 57店舗のうち約半数となる27店舗をGFA株式会社に事業譲渡 |
キレイモの倒産騒動の理由と原因
こうしたキレイモの倒産騒動は非常に示唆に溢れており、脱毛サロンを選ぶ際にも大きな参考になります。倒産騒動の理由について、私は以下のように分析しています。
- 過度な広告は無理ある規模拡大のシグナルでもある
- 事業譲渡は基本的には良いシグナルではない
過度な広告は無理ある規模拡大のシグナルでもある
まず1つ目は「過度な広告は無理ある規模拡大のシグナルでもある」と言うものです。
キレイモは、2016年のぺこ&りゅうちぇるさんのCM起用を皮切りに、立て続けに有名人をイメージキャラクターとして起用していました。経営者自身が派手なメディア露出をしていたミュゼプラチナムほど明らかではなかったものの、振り返ってみれば毎年毎年新しいイメージキャラクターを起用し続けるのはおかしなシグナルだったと言えるかもしれません。
広告によって集客した顧客から得た収益が、まだ回収できていないうちに更なる広告を、、、と完全に自転車操業のような形で、錬金術とも言える無理のある規模拡大をしていたのではないかと推察されます。これはスタートアップ企業でもよく起こる、典型的な失敗例の1つです(英会話教室のNOVAも同様の理由で経営破綻しています)。
少なくとも脱毛サロンについては、キレイモとミュゼプラチナムという2つのファクトがあるため、今後も有名人をイメージキャラクターに起用して積極的に広告を打っている企業は少し注意した方が良いかもしれません。
学び:身の丈に合っていない急拡大を続ける会社は危険なので、急な広告露出などに注意した方がいい
事業譲渡は基本的には良いシグナルではない
2つ目は「事業譲渡は基本的には良いシグナルではない」と言うことです。
キレイモだけでなく、同じく大手脱毛サロンのミュゼは「ジンコーポレーション→RVH」、「RVH→G.Pホールディング」と2回事業譲渡をされています。そして1回目は事実上の経営破綻、2回目は売上は400億円近いものの利益は赤字で営業損益6億5000万円という状態でした。つまり、一度ならず2度も経営難による事業譲渡に至ってしまっていると言うことです。
キレイモもひとまずは一部店舗の譲渡という形になっていますが、私は近い将来に更なる事業譲渡や最悪の場合は破産などを迎えると考えています。なぜなら、脱毛ラボやエタラビ、ミュゼなど脱毛サロンの破産騒動の歴史が証明しているからです。
そのためキレイモでは脱毛サービスを受けない方が良いと言うのが私の意見です。
学び:二度あることは三度ある、倒産騒動や事業譲渡など悪いシグナルがあるサービスには注意した方がいい
キレイモの倒産騒動で返金はされた?
キレイモの店舗譲渡騒動で、お客さんが支払った料金は返金されたのでしょうか?
GFAは、ヴィエリスから引き継いだ顧客の未消化役務について、2022年12月まで月間1万件を限度に無償で施術を引き受けると発表しています。そして2023年1月以降の方針は未定で、決まり次第公表するとのことです。
一方でヴィエリスは、「解約希望依頼を受けている状況が続いており、希望されているお客様への対応が遅れている状況です。一日でも早く返金希望のお客様へ、返金対応を進めてまいります」とのコメントを公表しており、未だ返金対応は遅れてトラブルが生じているようです。
通っている脱毛サロンが倒産したときに返金ができるか、支払い停止ができるかなどの対応についてはこちらの記事で解説しているので、脱毛を検討している方はぜひみていただけたらと思っています。
倒産の危険がある脱毛サロン・クリニックは絶対に選んではいけない!
このように、万が一通っている脱毛サロンが潰れる・破産する・倒産するようなことがあった場合には、返金もされず、サービスも受けられないことが一般的です。
実際にエタラビや脱毛ラボが倒産した際には、弁護士を通じて集団訴訟を検討する方もいたようですが、そもそもその手間暇は果てしなく、結局は泣き寝入りになってしまうことが多いはずです。
そのため、私は脱毛を検討している方には「倒産や破産のリスクがないサロンやクリニックを選ぶこと」を他のどんなことよりも大切にしてほしいと考えています。これは実際に世の中で起こった事実なのです。
まとめ
キレイモの破産騒動について、その理由や原因を説明させていただきました。
こうしてビジネス的な側面から見てみると、「事業譲渡を繰り返している脱毛サロンは選ばない方が良い」など新しい側面が見えてくるのではないでしょうか。他のポイントも含めて脱毛を検討している方に向けた選び方や基準はこちらの記事で解説しているので、ぜひご覧ください!