- 漠然と何かを勉強しなければと思っているが、何から手をつければ良い?
- アカウンティングやファイナンス、聞いたことはあるがよく分からない。
- 生活や暮らしを豊かにしたいがどうすればいいの?
こんな疑問やお悩みに答えます。(初心者・初学者の方にも分かるように書いています!)
この記事でわかること
- 全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強すべき理由と意義
- アカウンティングとファイナンスの基礎知識とその違い
- 生活・暮らしを豊かにするための方法
この記事を書いている人:チルbot
- キャリア:東大・海外大を卒業後、外資メーカー・外資戦略コンサル・VCにて勤務
- 守備範囲:英語(TOEIC980、TOEFL iBT95 ※非ネイティブ)、マーケティング・ファイナンス、デザイン・制作(Adobe全般)、テクノロジー(プログラミング・XR)、スタートアップ(北米・アジア)
読者の皆様への前置きメッセージ
意識が高い社会人やビジネスパーソンの方々は、アカウンティングとファイナンスについて一度は勉強を試みたことがあるのではないでしょうか。
»参考:『元戦略コンサル・VCが教える、20代社会人が身につけるべきおすすめスキル6選』
しかし、仕事で利用する人はまだしも身近に触れる機会が少なく、難しい数式やエクセルに挫折してしまう人は非常に多いと思います。
私、チルbotは、外資マーケター→戦略ファーム→VCというキャリアを歩む中で、GLOBIS MBAのアカウンティング・ファイナンスコースを修了し、実際の業務の中でも経験を積んできました。
その経験を踏まえ、仕事で使うかどうかに関係なく、アカウンティング・ファイナンスは全社会人が必ず身につけるべきスキルであると考えています。
この記事を読めば、アカウンティングとファイナンスの基礎知識、そしてなぜ全社会人が勉強するべきなのか、その理由が分かります。
全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強すべき3つの理由
それでは早速ですが、全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強すべき3つの理由は以下の通りです。
驚くかもしれませんが「キャリアアップに繋がる」というありがちな理由は、3番目の理由にしか過ぎません。もっと身近に役立つ機会がたくさんあるのです。
それでは早速説明を加えていきたいと思います。
説明の前に:挫折しないための2つのアドバイス
説明に入る前に、2つアドバイスを伝えさせてください。
というのは、アカウンティングとファイナンスの話、本当に途中で挫折して脱落する人が多いからです。
アドバイス①:身近な生活で例えて考える
「アカウンティングには財務会計・管理会計の2種類があり・・・」と説明を始めると、その時点で多くの人が脱落します。
「アカウンティング・ファイナンス」とは、会社や企業を分析するために作られたものではありますが、そもそも「会社や企業」がよくわからないのに、よくわからない「アカウンティング・ファイナンス」の理解をすることに無理があります。
そのため「アカウンティング・ファイナンス」の初学者は、「自分の生活で例えるとどういうことだろう・・・?」と、会社や企業ではなく自分の生活に置き換えて考える癖をつけるようにしましょう。これで挫折の8割は防げるはずです。
今後の説明でも、「私たちの生活で例えると・・・」と身近な例を含めて進めるのでご安心ください。
アドバイス②:超ざっくり、アカウンティングとファイナンスとは
アカウンティング・ファイナンスについて何も知らない方のために、その違いも含め、超ざっくり説明をしておきたいと思います。
「ファイナンス」とは金融・財政を表す言葉であり、、という堅い説明は拒否反応を生むだけなので、噛み砕くと以下の通りです。
早速私たちの生活で例えると、アカウンティングは形式が定められた家計簿作りであり、ファイナンスは資産形成となります。
ここではなんとなく「そうなんだー」くらいに思っておいて頂ければ大丈夫です。
全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強する理由・意義
それではいよいよ、全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強する3つの理由・意義を説明したいと思います。
理由①:資産形成の基礎知識だから
端的には、アカウンティング・ファイナンスの知識があれば効率的に資産を増やすことができますが、知識がないとカモにされます。
「そんな知識なくてもお金を稼ぐことなんてできるでしょ?」とお考えの方に向けて、「お金を稼ぐ」と「お金を増やす(資産形成)」の違いから説明したいと思います。
「お金を稼ぐ」と「お金を増やす(資産形成)」の違い
結論から申し上げますが、「お金を稼ぐ」と「お金を増やす(資産形成)」の違いは以下の通りです。
つまり「お金を稼ぐ」には、いつまでも自分の「何か」をお金の引き換えにし続けなければいけません。
しかし「お金を増やす」には、将来価値が上がる「何か」とお金を交換しておけば、その「何か」が自動的にお金を増やしてくれるのです。
「お金を稼ぐ」はPL的発想、「お金を増やす」はBS的発想
アカウンティングを知識がある人には、前者はPL的発想、後者はBS的発想だということが分かるかと思います。また詳しく書きますが、小さい頃のお手伝いのお駄賃からアルバイトで「お金を稼ぐ」原体験をしてしまっている日本人は、BS的発想が圧倒的に弱いと考えています。
アカウンティングの知識があれば、「お金を稼ぐ」と「お金を増やす」の裏にあるPL/BSの考え方がより深く理解できるようになります。
「お金を増やす」には、将来価値を見抜かなければいけない
自動的にお金を増やしてくれる「お金を増やす」ことは夢のように聞こえますが、それではなぜ日本人の多くは「お金を増やす」ことばかりしているのでしょうか?
理由は簡単「よく分からないから」です。
先ほど「お金を増やす」ことは「将来価値が上がる何かとお金を交換しておく」ことだと述べましたが、価値が上がる可能性があれば下がる可能性もあります。(これをファイナンスではリスクとリターンという概念で捉えます)
そのため、株式投資でも不動産でもアート投資でも仮想通貨でも、「将来これは価値が上がるものか?下がるものか?その程度はどのくらいか?」を見抜く必要があるのです。
多くの人はそれをカンに頼ってしまいますが、それでは「お金を増やす(投資)」ではなく「お金を賭ける(投機・ギャンブル)」です。
ファイナンスの知識があれば、ある物事について「将来それがどれくらいの価値を生み出すものなのか」が分かるようになります。
「お金を増やす」では、多くの人がカモにされる
そんな「お金を増やす」ことにおいては、世の中の多くの人がカモにされています。よく分からないからカモにされるわけですね。
またリスクとリターンが混在する「お金を増やす」ことにおいては、営業マンが恐怖訴求をしやすいという特性もあります。
社会人の方であれば、不動産投資や投資信託、保険のセールスを受けたことがあるかと思いますが、よく分からないので営業マンのいうがままにしていると、百発百中で損を被っていると思って良いでしょう。具体的には、あなたが「何かとお金を交換した」ことによって得られるリターンの多くを、不動産投資会社や銀行、保険会社に掠め取られているのです。
ファイナンスの知識があれば、こうしたカモにされず自分の資産を守り、利潤を最大化できるようになります。
アカウンティング・ファイナンスの知識があれば自律的に資産形成ができる
もちろんお金が人生の全てだとは思っていませんが、お金があれば気持ちに余裕が生まれ、人生の可能性が広がります。
そして「お金を稼ぐ」のではなく、自律的に「お金を増やす(資産形成)」ためにはアカウンティング・ファイナンスの知識が必要なのです。
理由②:世の中の解像度が圧倒的に高まるから
2つ目の理由は「世の中の解像度が圧倒的に高まるから」です。1つ目の理由の時点で、既に実感されている方も多いと思います。
資産形成におけるBS的発想・PL的発想、将来価値を見抜くことなどいくつか説明はしましたが、アカウンティング・ファイナンスそれぞれを身につければ分かるようになることを改めて紹介したいと思います。
アカウンティングの知識があれば分かるようになること
アカウンティングは「会社・企業向けの形式が定められた家計簿を読み解くためのもの」と言いましたが、その家計簿は「決算書」と呼ばれ、「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」「キャッシュフロー計算書(CS)」の3つから成り立っています。
決算書は世の中のあらゆる企業が定期的に作成する義務があるため、アカウンティングの知識があれば会社や企業、そしてそれらが織りなす社会経済のことがものすごくよく分かるようになります。
企業のビジネスモデルや戦略の違いはこれらの決算書にも現れるため、例えばGoogleとAppleの違いなども解像度高く分かるようになり、これらの知識が資産形成やキャリアアップに繋がるのは言うまでもありません。
そして、決算書(PL・BS・CS)の考え方は、ビジネスだけでなく、個人の資産形成にも役立つのは前述した通りです。資産形成本として有名な「金持ち父さんシリーズ」は、要はPL・BSの考え方を長々と説明したものに過ぎません。
≫参考:『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)』
ファイナンスの知識があれば分かるようになること
ファイナンスとは「調達したお金を増やすためのもの」であると言いましたが、世の中の解像度をどのように上げてくれるのでしょうか?
例えばですが、もし100万円を手に入れたらあなたはどうしますか?
買い物をする、旅行をする、株式を買う、ビットコインを買う、馬券を買う、事業を始める、不動産を買う、、様々な選択肢があると思いますが、ファイナンスの知識があれば、これらを共通のものさしで比較できるようになります。
「なんとなく」ではなく、根拠を持って様々な可能性を比較検討することができるのです。
そしてチャンスが目の前にある時は、「大量のお金を調達」した方が大きなリターンを得られることも多くあります。
私は実際に社会人になってからしばらくはお金を借り入れて株式投資を行っており、リターンを最大化することができました。ファイナンスの知識がある方なら分かると思いますが、レバレッジをかけまくっていたということです。
ファイナンスの知識があれば、目の前にある選択肢に対してどのようなカードを切るか、そのリターンを最大化するためにどうすれば良いかが分かるようになるのです。
理由③:キャリアアップに役立つから
そして最後の理由が「キャリアアップに役立つから」です。
これまでの説明があれば、アカウンティング・ファイナンスの知識がある人とない人では、どんな職業や職種においてもキャリアアップの可能性が大きく変わるのが分かるかと思います。投資銀行やPE、VCに勤務しているか、事業投資やファイナンスの部署にいるか、プロジェクトファイナンスに取り組んでいるかなどは関係ありません。
私は、自分で投資をしたことがない人はビジネスにおける投資の感覚も分からないと思いますし、逆に言えば自分でそうした機会を作りさえすればビジネスにおいて活かす機会などいくらでもあると考えています。
「アカウンティング・ファイナンスはキャリアアップに役立つ」は目的ではなく、結果にしか過ぎないと言うことです。
まとめ
以上、全社会人がアカウンティングとファイナンスを勉強すべき理由について説明させていただきました。
より詳しく知りたいと言う方は、以下の書籍が名著として知られているので読んでみると良いかと思います。
職業や職種など関係なく、人生を豊かにしたいならばアカウンティングとファイナンスに取り組んで絶対に損はありません。
具体的な勉強法などについてはこれから紹介できればと思うのでお楽しみに!