新しい視力矯正方法としてどんどん広まっているICL手術、2020年末にはきゃりーぱみゅぱみゅさんがICL手術を受けて話題になっています。
角膜を削らずに夢の裸眼生活を手に入れることができるICL手術ですが、その仕組みや手術内容が分からなければ不安は拭えないでしょう。そのため今回は、ICLの歴史・視力が回復する理由・手術の仕組みなどについて徹底的に解説します。
この記事を読めば、ICL手術についてその歴史や視力が良くなる理由について分かるはずです。
(※ICL手術が気になる方は、品川近視クリニック(東京/名古屋/大阪/札幌/福岡)、新宿近視クリニック(東京)では検査受診と眼科医への相談が無料でできるのでおすすめです(詳しくはこちらの記事をご覧ください))
東大・海外大を卒業後、戦略コンサルで勤務していた「チルbot」です!メガネ・コンタクト歴は20年以上、昼にはドライアイで目がカピカピでしたが、医師の友人や眼科の先生へのヒアリングを経て2020年にICL手術を実施、視力は0.03から1.5に回復し、夢の裸眼生活を実現しました。20代最高の投資・ICL手術について実体験から解説していきます。
ICL手術の眼科・クリニックを選ぶ4つの基準
それでは早速、ICL手術とは以下のようなものになります。
ICL手術(アイシーエル・フェイキック有水晶体眼内レンズ・眼内レンズ)とは、眼球の中にレンズを挿入することで視力を矯正する屈折矯正方法。角膜を削るレーシックとは異なり角膜を削る必要がないので、強度近視の方、角膜の薄い方でも矯正が可能かつ、元に戻せる可逆性も担保されている。
とは言ってもこれだけだとよくわからないと思うので、
- ICL手術で視力が回復する仕組み
- ICL手術の内容
- ICL手術の歴史
といったより詳しい内容について説明していきたいと思います。
ICL手術で視力が回復する仕組み
ICLで視力が回復する仕組みを理解するためには、目でものが見える仕組み、視力が低下する仕組み、そしてコンタクトレンズなどによる視力回復の仕組みを知る必要があります。
- 目が見える仕組みを理解する
- 視力が低下する仕組みを理解する
- 視力が回復する仕組みを理解する(=ICL手術でなぜ視力が良くなるのかがわかる!)
それぞれ順番に解説したいと思います。
そもそも目が見える仕組みとは?
私たちは日々、目を通してたくさんのものを見ていますが、そもそもなぜ目でものが見える仕組みは以下の通りです。
私たちが日々見ているものから発せられる光が角膜や水晶体を通して目の中に入り、網膜上で焦点が合い目が見えるということですね。プロジェクターを想像してもらうとわかりやすいと思います。
目が見える仕組み:ものから発せられた光が、角膜や水晶体を通して網膜に映し出されてものが見える
目が悪くなる仕組みとは?
次に、そんな目の視力が低下してしまう、目が悪くなる仕組みを解説します、
その原因は水晶体を調節する毛様体という筋肉にあります。毛様体が弱ると光を通す水晶体をうまく調節できなくなり、網膜上でピントが合わず、近視や遠視などの視力低下が起こってしまうのです。
光の焦点が網膜の手前や奥になってしまいピントが合わず、物がぼんやりと見えてしまうのですね。スクリーンからずれてしまっているプロジェクターのような状態ということです。
視力が低下する仕組み:水晶体を調節する筋肉が弱り、光の焦点が網膜から外れることで視界がぼんやりしてしまう
視力が回復する仕組み
そして最後に視力が回復する仕組みですが、実はこれは単純です。コンタクトレンズで視力が回復する理由とICL手術で視力が回復する理由は全く同じなので解説したいと思います。
コンタクトレンズで視力が回復する仕組み
コンタクトレンズで視力が回復する仕組みは、目の外(角膜の外側)にレンズをつけて光の屈折を調整すると、焦点が正しく網膜上に合うようになるというものです。
水晶体で調整できなくなった分を、レンズによって補うということですね。
ICL手術で視力が回復する仕組み
そしてICLでは、眼の表面ではなく内部にこのレンズを埋め込みます。そう、レンズが眼の表面にあるか、それとも眼の中にあるかという違いだけで、コンタクトレンズとICLは原理としては全く同じなのです。
つまりICL手術で視力が回復する仕組みは、目の中の空間にレンズをつけて光の屈折を調整し、焦点を網膜上に合わせるというものです。
ICL手術の内容
続いて、実際のICL手術の内容について説明したいと思います。
ICL手術の分類
ICLには前房型・後房型の2種類がありますが、前房型には以下のようなリスクがあるため、現在のICLはほぼ全てが後房型です。
- レンズを固定する虹彩が衝撃を受けたりするとレンズが外れることがある
- レンズが角膜内皮面に近いため角膜内皮細胞への影響が発生する可能性がある
- 切開創を大きくしないといけないので、手術後に乱視が残りやすい
視力が回復する仕組み
後房型ICLでは、点眼薬による眼の麻酔後に角膜を一部切開し、虹彩と水晶体の間の後房と呼ばれる位置に眼内レンズが埋め込まれます。
麻酔で痛みはなく、施術は両目合わせて10分ほどであっという間に完了し、また一部切開はするもののレーシックとは異なり角膜を削ることもありません。
そして一度挿入したレンズは、メンテナンスフリーで長期間良好な状態を維持することができます。
眼にレンズを挿入と聞くと心配する方もいるかもしれませんが、レンズの生体への安全性は長期に渡って実証が重ねられてきました。
最新のホールICL(上述参照)では、生体適合性に優れた親水性の新素材・コラマーが利用されており、体内での抜群の安定性を誇ります。
ヨーロッパで1997年に認可を受けてから全世界で多数の手術が行われて以来、20年以上の時間の中で日々改善が重ねられてきたのです。
レーシックとの違い
そんなICL手術のレーシックとの違いについても簡単に解説したいと思います。
レーシックは、レーザーで角膜を削って薄くすることで焦点距離(ピントが合う位置)を変えて近視を改善する手術です。
上図の4・エキシマレーザーの照射によって角膜を削り、眼の屈折力を正常な状態にするのです。
削った角膜は元に戻すことができず不可逆な手術であること、上図の2・フラップを作る際に角膜の知覚神経が切断されてドライアイになるリスクがあることなど、角膜の一部を短期的に切開するICLとは異なりレーシックには様々なリスクが存在しています。
より詳しく聞きたい・判断がつかないという方は、ご質問・ご相談、受け付けているのでお気軽にどうぞ!
ICLとレーシックのメリットデメリット比較については多くの方から頂く質問で、私も初期にはレーシックを考えていたくらいですのでこちらの記事にさらに詳しくまとめさせていただきました
ICL手術の歴史
最後に、これまで説明したICL手術の歴史についてもご紹介したいと思います。
レーシックよりも歴史が長いICL手術
広く認知されているレーシックと比較して、ICLはまだまだ知られておらず新しい手術というイメージがありますが、実はICLはレーシックより長い歴史を持っているのです。
ICLは1986年に最初のタイプのレンズが利用されてから、2019年までに全世界で100万眼の症例があり、75以上の国と地域で承認を受けています。日本においては2003年に臨床試験が行われ、2010年に厚生労働省の認可が下りました。
- レーシックの起源:1990年にギリシャのDr. Pallikarisが考案
- ICL手術の起源:1986年にヨーロッパで最初のタイプのICLレンズを用いた埋め込み手術が実施
かつてのICLの課題
初期のICL手術では、約1~2%の確率で白内障や緑内障の術後合併症が進行することが課題となっていました(現在は解決されているのでご安心ください)。
詳しくは後述しますが、ICLの仕組みとは目の表面にコンタクトレンズをつける代わりに、目の中の空間(前房or後房)にレンズを入れて視力回復を図るものです。
その際に、目の中に埋め込まれたレンズが目の中の水の流れを妨げ、白内障の原因となってしまうことがあったのです。
ホールICLの誕生、そして急速な普及へ
しかしこの課題も、ホールICL(レンズ中央部に0.36㎜の小さな房水の循環孔が空いているもの)の誕生により解決されました。
レンズ中央部に極小の穴を空けることで、その穴を通して目の中の水の循環を健全に保つことができるようになったのです。
そして、2007年にホールICLを用いた初めての手術が行われて以降、手術を受ける人が急速に増えて世界的に注目されるようになりました。(一方でホールICLにより「ハロー・グレア現象」が生じることにもなりました、詳しくはこちらの記事をご覧ください)
さらに2016年には、レンズ全体の大きさを保ったまま光学部をより大きく再設定したレンズ・EVO+が開発され、瞳孔径の大きな若年世代の患者や夜間の見え方の改善効果が期待されています。
ICL手術についてより詳しく知りたい方に向けて
ICL手術の概要について説明させていただきました。
実際の手術やリサーチ、眼科医へのヒアリングなどを踏まえて以下のように詳しくまとめているので、気になる方は是非ご覧になってください。
まとめ・ICL手術が気になったら
今回はICLの認定制度の概要やエキスパートインストラクターの所属病院を紹介させていただきました。復習として以下に主なポイントをまとめておきます。
- ICLはレーシックよりも歴史が長い視力回復手術である
- ICLでは角膜の一部を一時的に切開してレンズを挿入することで半永久的な視力回復が可能する
- 麻酔により痛みはなく、手術自体は両目10分程度で終了する
- レーシックでは角膜を削ることによる様々なリスクが存在する
ICL手術で手に入る裸眼生活は本当に快適です。しかし迷ったり悩んだりしても、適応検査が不適合なら時間や労力は無駄になってしまいます。まずは行動で適応検査を受診しプロの眼科医の先生に相談するのが賢い選択です。
品川近視クリニック(東京/大阪/名古屋/札幌/福岡)、新宿近視クリニック(新宿)ではICL手術をするか決まっていなくても無料で相談・検査が受けられるので、是非ご活用ください。また、ICL手術についてもっと知っておきたい方には、以下の記事が参考になるはずです。
- ICL手術が気になったらまず最初にするべきこと
- 仕組みや歴史などICL手術の基礎知識
- 私自身のICL手術の体験談(ICL手術との出会いから手術後の様子まで)
- 地域ごとのICL対応眼科の一覧と比較検討
※あくまで私個人の実体験や分析です。適応検査でプロの眼科医の先生に直接確認してください
質問や相談など私が力になれることがあればこちらからお気軽にどうぞ!
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