戦略コンサルから転職するなら早い方がいいよという話について

[st-kaiwa1]
  • 戦略コンサルへの就職・転職を考えている
  • 戦略コンサルで働いてしばらくたち、次のキャリアをどうしようか悩んでいる
  • 転職しようとも思うが、給与も高くやる気が起きない
  • 戦略コンサルは早めに転職を検討した方がいい理由
  • 戦略コンサルティングファームに長く在籍することに伴うリスク
  • 戦略コンサルのネクストキャリアの作り方
[/st-kaiwa1]

こんな疑問やお悩みにチルbotが答えます。

[st-i class=”fa fa-check”] チルbotについて自己紹介

  • 東大・海外大を卒業後、外資メーカー・外資戦略コンサル・VCにて勤務、現ニート
  • コロナをきっかけに仕事に忙殺されていた生活を一新、そのライフハックを発信中!

[st-i class=”fa fa-check”] 読者の皆様への前置きメッセージ

読者の皆様から多く頂くメッセージやご質問の1つに「戦略コンサルティングファームのキャリアについてもっと教えて欲しい」というものがあります(戦略コンサル含む私自身のキャリアについては、こちらにまとめているのでご覧ください)。

戦略コンサルは基本的に「出口(戦略コンサルの次のキャリア)」ありきの職業だと思っており、私自身はVCへと転職をしましたが、戦略コンサルにだらだらと居座ってしまった結果、ネクストキャリア形成に苦戦する方を多く見かけてきました。

そこで今回は、戦略コンサル在籍者や戦略コンサルへの就職・転職希望者に向けて、戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと考える理由や、居座ってしまうことに伴うリスクについて解説したいと思います。

この記事を読めば、戦略コンサルのネクストキャリアの考え方や早めに転職検討や情報収集をした方がよい理由がわかります。

※私たちのステマ規制への対応方針:当サイトの運営にあたっては、実体験を基に公平性・客観性を心がけ、読者の皆様を第一に取り組んでいます。企業から商品提供や広告依頼を受け、広告/PRの内容が含まれる場合もありますが、コンテンツの基準や判断軸には一切関与させておりません。

戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと考える理由

戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと私が考える理由は以下の通りです。

[st-mybox title=”戦略コンサルから転職するなら早い方がいい理由” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#3880ff” bordercolor=”#3880ff” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”125″ myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
  1. 戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっているから
  2. 転職希望条件が上がり転職しづらくなるから
  3. 思考停止に陥りがちな環境だから
  4. 先延ばしにしてもいずれ選択を突きつけられるから
[/st-mybox]

偉そうな物言いが過ぎている面があると思いますが、「私の学びを伝えておきたい」という気持ちが前提にあること、そして私自身「このまま戦略コンサルでいっか」という易きに流れたことは何回もあること、しっかりとキャリアを考えているコンサルの方も多くいることを断らせてください。

そんな前置きのもと、それぞれ詳しく解説してゆきたいと思います。

①戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっているから

1つ目の理由は「戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっているから」です。その理由は、以下の通りさらに2つに細分化することができます。

[st-mybox title=”戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっている理由” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#3880ff” bordercolor=”#3880ff” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”125″ myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
  • a. 戦略コンサルのコモディティ化
  • b. 戦略コンサルでは身に付けられないスキル・経験
[/st-mybox]

a. 戦略コンサルのコモディティ化

まず1つ目として、戦略コンサルは圧倒的にコモディティ化が進んでいるという事実があります。

かつては「戦略コンサル」というだけで希少性があり、超優秀な方々が在籍していたイメージでしたが、現在は採用人数自体が増加しており人材レベルも若干下がってきているように感じています。実際に、マッキンゼーやBCGといったトップファームも大幅に人員を増加させています。

私はその原因として以下の2つがあると考えています、細分化が多くてすみません笑。

  • 無目的で中途半端なエリートが集まるようになったから
  • 戦略コンサルのビジネスモデルの転換(戦略から実行へ)

無目的で中途半端なエリートが集まるようになったから

1つ目の原因は「無目的で中途半端なエリートが集まるようになったから」です。ぶっちゃけ、コンサルへの転職を希望する大半の方は「なんか凄そうだから」「潰しが効きそうだから」「年収が高そうだから」というくらいのことしか考えていないと思います(色々理由は作ると思うのですが、本音を掘り下げると実態としてはそんなところです)。

社会的地位が上がった場所には、その「社会的地位」だけを求めたエリートが集まってしまうのは世の常です。先人たちの活躍によってコンサルがもてはやされた結果、「もてはやされること」を求めたエリートが無目的にコンサルに集まるようになっていると感じています。

元マッキンゼー・現ヤフーCSO、「イシューからはじめよ」の著者でもある安宅和人さんも、優秀層が考えなしに「よしとされるところ」へ向かうことに懸念を示しています。以下のブログなどに詳しく書かれているので、読めばきっとコンサルに転職するべきか考え直すのではと思います(笑)

[st-card-ex url=”https://kaz-ataka.hatenablog.com/” target=”_blank” rel=”nofollow” label=”” name=”” bgcolor=”” color=”” readmore=””]

戦略コンサルのビジネスモデルの転換(戦略から実行へ)

2つ目の原因は「戦略コンサルのビジネスモデルの転換」です。

単なる戦略の立案ではなく、それを以下に実現するかという実行部分が重要視される現代においては、戦略コンサルも実行部分へのコミットが求められるようになりました。結果として誕生したのが、クライアント社内に常駐する「Implementation Consultant(マッキンゼーの場合)」と呼ばれる職種です。

この職種は、クライアント社内に常駐して実行部分を担うだけでなく、常駐によってチャージ(時間単価報酬)を荒稼ぎするというビジネス的にも優れた側面を持っています。こうした泥臭い実行部分を担う人材ニーズが生まれたことにより、戦略コンサルも人材を大量採用しているのです。(定かではありませんが、マッキンゼーが新卒・転職者の大半を常駐へ送り込んだという話も聞いたことがあります)

②戦略コンサルでは身に付けられないスキル・経験

1つ目が大変長くなってしまいましたが、「戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっている理由」の2つ目としては、戦略コンサルでは身に付けられないスキル・経験が存在すること、そしてそのスキル・経験の重要性がどんどん上がっていることが挙げられます。

それはいったいどのようなスキル・経験なのでしょうか?端的に申し上げますと

[st-mybox title=”” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#757575″ bordercolor=”#BDBDBD” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”” myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]

「オーナーシップを持って自身で事業運営すること」

[/st-mybox]

だと言えるでしょう。ビジネス環境が急速に変化する現代においては、前述したように「実行すること」「やり抜くこと」の重要性が上がっていますが、コンサルでは決してそうした経験やスキルはつかないということです。

戦略コンサルが持てるオーナーシップには限界がある

このように言うと「コンサルティングは比類なきIntegrity(誠実さ、コンサルが好んで使う言葉ですw)がなければ成立しない仕事だ!」という反論をする方もいるのですが、どこまで行っても「アドバイザリーはアドバイザリー」にしか過ぎません。

また、戦略コンサルそのものの事業オーナーとしてPL責任を担うのはプリンシパル・パートナーであり、アソシエイトやコンサルタントの段階はアサインされたプロジェクトに向かうのみです。成果報酬型のプロジェクトなど、戦略コンサルのコミットメントを強くするプロジェクト形態も出てきてはいますが、「オーナーシップ」というにはお粗末な「ただのプロジェクトモデルの話」に過ぎません。

そのため、「将来は自身で事業オーナーになりたい」と考えている方は、自社事業も持っているドリームインキュベータなどの戦略コンサルがあっているのではと考えています(詳しくは以下をご覧ください)。

[st-card myclass=”” id=”2299″ label=”関連記事” pc_height=”” name=”” bgcolor=”” color=”” webicon=”” readmore=”off” thumbnail=”on” type=””]

事業運営はやってみないと分からない

さらに申し上げると、事業運営は本当に「やってみないとわからないことばかり」です。

あくまで戦略面においては正しい結論が導き出せたとしても、事業運営に関わる様々なステークホルダー、チームや社員のマネジメント、キャッシュがなくなるかヒリヒリする中でのファイナンス、具体的にみると「オフィスをどこに構えるか」「どんな人事制度を設けるか」などいくらでも細かなことは出てくるでしょう。

これらのことは決して「事前に学ぶ」ことはできないため(正しくは「学びきることはできない」でしょうか)、自身で体験してみるしかなく、その経験こそが何よりの強みになるのです。例えば私がどこかの大企業の新規デジタルプロダクトの責任者だったとして、採用候補者に戦略コンサル出身の20代〜30代の方と、サイバーでメディア立ち上げをしたことがある20代半ばの方がいたとしたら、絶対に後者を採用すると思います。それくらい「経験したことがあるかないか」は大きな差なのです。

転職希望条件が上がり転職しづらくなるから

戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと考える2つ目の理由は「転職希望条件が上がり転職しづらくなるから」です。こちらについても

  • 年収面
  • ポジション面

の2つに因数分解してご説明したいと思います。

年収面

まず「年収面」について、戦略コンサルティングファーム在籍者は、20代では基本的に同年代よりも比較的高い給与をいただくことが多いと思います。

[st-mybox title=”戦略コンサルにおける一般的な年収” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#3880ff” bordercolor=”#3880ff” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”125″ myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
  • アナリスト(20代が主):500~800万円(+業績賞与として固定給の約20%程)
  • コンサルタント(20~30代半ばが主):900~1,300万円(+業績賞与として固定給の約20%程)
  • マネジャー(30代が主):1,400~2,000万円(+業績賞与として固定給の約30%程)
  • プリンシパル(30~40代):1,700~2,500万円(+業績賞与として固定給の約30%程)
  • パートナー:2,500万円以上(+業績連動賞与)
[/st-mybox]

この「現職での給与」がネックになり、転職に踏み切れないという人が非常に多いのです。一度上がった生活水準を下げることは非常に困難で、例え自分に合っている・やりたい職業を見つけたとしても給与水準が見合わず見送ってしまう人を私自身たくさん見てきました。

また上記の表ではどんどん年収が上がっていくように思えますが、マネージャーあたりから壁が存在し昇進できる人が限られてきます(基本的に5年間在籍してマネージャーになれない人は戦略コンサルティングファームで昇進することは難しいです)。転職を見送っているうちに歳を重ね、気がつくと事業会社などで経験を重ねた同年代の方が遥かに高い給与をもらっていることはざらにあります。

私は、瞬間的な年収はただの数字でしかないと考えています。そんな数字に囚われることなく、どのようにすれば中長期的なキャリア価値を最大化させることができるか、何より自分の人生で実現したいことは何か、を突き詰めて頂きたいと思います。

ポジション面

2つ目の「ポジション面」について、戦略コンサルでスケールの大きいプロジェクトに関わっていると「自分はとてつもなく優秀な人材なのではないか」という誇大妄想に駆られる方が大量発生します。結果として転職先も、PEやIBDといったさらなるアップサイドだったり、事業会社であれば経営企画、ベンチャーであればCXOといったポジションを希望する方は非常に多いです

結論として、ただ戦略コンサルにいたからといってこれらのポジションで転職することは非常に難しくなってきています。理由としては、前述した「戦略から実行」の移り変わりだったり、戦略コンサル自体のコモディティ化だったりが存在しますが、特にベンチャーのCXOポジションにいきなり入るというのは非常に難しくなってきています(アーリーステージであれば話は異なりますが)。

私は戦略コンサルの後、VCに転職して様々なスタートアップの支援を行ってきましたが、スタートアップにおいて戦略コンサル出身の方が最も重宝されるのは「toBの企画営業」でした。例えばBtoBのSaaSなどをサポート混みで導入する仕事などは、クライアントワークが完璧な戦略コンサル出身の方が適性があると判断されることが多いのですが、事業経験もドメイン知識もないのに「元戦略コンサル」というだけでいきなりCXOに採用というのは感覚的に有り得ないと思っています。

思考停止に陥りがちな環境だから

戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと考える3つ目の理由は「思考停止に陥りがちな環境だから」です。

戦略コンサルに勤務していると、プロジェクト期間中は基本的に激務の日々が続きます。落ち着いてキャリアについて考える時間もない中で、若いうちは比較的高い給与を頂き、ある程度高い生活水準を保ち、「戦略コンサル在籍」というそれなりの社会的地位を感じ、「スケールが大きなことに携われている」「レベルの高い知的労働をしている優秀そうである」という承認欲求を持つこともできます。

つまり、基本的には「このままでいっか」と思考停止しがちな環境なのです。もちろん次のキャリアを目指す退職者は毎月のように発生するため「自分も次を考えなければ」という気持ちもあるものの、上述したような「思考停止して在籍するインセンティブ」はそれを遥かに上回ります。

こうした思考停止を防ぐため、戦略コンサル在籍者はプロジェクト休暇期間中になるべく外の世界と触れ合い、「戦略コンサル」という名刺を抜きにしたときに自分が出せる価値を客観視する機会を儲けた方が良いと考えています。

先延ばしにしてもいずれ選択を突きつけられるから

戦略コンサルから転職するなら早い方がいいと考える4つ目の理由は「先延ばしにしてもいずれ選択を突きつけられるから」です。

前述したように、基本的に在籍して5年以内にマネージャーになれない方は、戦略コンサルティングファームにおいて昇進することが難しくなります。昇進を目指してコンサルタントとして必死に頑張る中で、自分より遥かに若くて体力もある人材がどんどん入社し、焦りと苦しみを感じる中で30代に前半くらいには同年代がプリンシパルになるようなことも発生するのです。

つまり、20代のうちは考えなしに在籍できる戦略コンサルですが、30代前半にもなると「このままこのファームでやっていくのか、それとも外に出るのか」という選択を自ずと突きつけられます。もちろん戦略コンサルで成果を出して順調に昇進している方は問題ないですが、そうでない方は「前職でのビジネス成果」が求められる30代の転職市場において苦戦することとなります。

そのため、「自分は戦略コンサルを本当にやりたいのか」「戦略コンサルに適性はあるのか(戦略コンサルで昇進できなかったからと言って、それは適性がないだけであなたの能力を否定するものでは有りません)」「自分が本当にやりたい仕事は何なのか」を早いうち、可能であれば20代〜30代前半のうちに必ず真剣に考えることをおすすめします。

まとめ

以上、私が考える「戦略コンサルから転職するなら早い方がいい理由」についてご説明させていただきました。振り返りとして以下に全てを再掲させていただきます。

[st-mybox title=”戦略コンサルから転職するなら早い方がいい理由” webicon=”st-svg-check-circle” color=”#3880ff” bordercolor=”#3880ff” bgcolor=”#ffffff” borderwidth=”2″ borderradius=”5″ titleweight=”bold” fontsize=”125″ myclass=”st-mybox-class” margin=”25px 0 25px 0″]
  1. 戦略コンサルの市場価値は相対的に下がっているから
  2. 転職希望条件が上がり転職しづらくなるから
  3. 思考停止に陥りがちな環境だから
  4. 先延ばしにしてもいずれ選択を突きつけられるから
[/st-mybox]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

error: Content is protected !!