たまにはコラム的に自分の考えを記したいと思います。テーマはタイトル通り「インターネットでお金を稼ぐということ」です。
僕のこれまでのキャリア
僕は新卒で外資グローバルメーカーに入社し、主に自社製品のマーケティングに携わっていました。
しばらくすると、マーケティングという1つの各論だけではなく、大局的に経営に携わりインパクトをもたらしたいとの思いから、いわゆるCEOアジェンダを扱う戦略ファーム(外資系コンサルティングファーム)に転職しました。前職のマーケティングも活かしながら、ダイナミックに会社のレバーを動かしてバリューアップに務める仕事は非常にエキサイティングでした。
そしてまたしばらくすると、戦略ファームで携わったような90→100くらいを目指すイスタブリッシュな企業ではなく、0→1、1→10を目指すスタートアップ業界に投資家という俯瞰的な立場で携わりたいと考え、ベンチャーキャピタル(VC)に転職しました。主にアメリカ・アジア地域のスタートアップに対する投資とバリューアップを職務としていました。
この間にも、スポットでコンサルティング案件を受けたり(戦略ファーム時代では決してございません)、知り合いの会社を手伝ったり、副業的にいくつかの仕事にも携わってきました。これが僕のこれまでのキャリアになります。
インターネットでお金を稼ぐということ
確かVC時代に目にしたと思うのですが、自分の頭に強く響いた以下のような言葉があります。
「どんな手段でも、どんな金額でもいいから、インターネットでお金を稼いだことがある人と、そうでない人の間には、とてつもない差が存在する」
たしか、中川綾太郎さん(MERY創業者・StandFMなどを開発するnewnのCEO)か、けんすうさんのどちらかが言っていたこの言葉(違ったらすみません)、VCとして仕事をする上ですごく腹落ちしたのを覚えています。
広告やユーザー課金、事業者へのサービス提供など、インターネットを通してお金を稼ぐ手段はたくさん存在しますが、これらはインターネット以外のお金の稼ぎ方と何もかもが根本的に異なるのです。
「テレビやチラシみたいに、インターネット以外でも広告なんてたくさんあるじゃん」と思うかもしれませんが、インターネットで広告モデルを成立させるためには、まずはユーザーが魅力的に思って集まる場を作らなくてはいけません、
そしてその中で嫌われないように広告を出さなければいけません、どんな人が見たのかを測定してレポーティングしなければいけません。これらは所謂オフラインの広告に求められる要素とは全く異なります。
こうした違いは実際に自分で「インターネットでお金を稼いだこと」がないと肌感としてなかなか分かりにくいのではないかと思います。上記の言葉は、(あまりにも言葉足らずですが)インターネットが重要な要素となるスタートアップにおいては、そのintangibleな感覚を持っているかどうかこそが何より重要である、ということを刺した金言だと捉えています。
僕はインターネットでお金を稼いだことがなかった
これまでの自分の3社のキャリアを通じて、そこそこの収入をいただいてきました。そしてVCにおいては、「インターネットでお金を稼ぐ」ことにチャレンジするたくさんの起業家を見て、そのビジネスに対する評価付けや成長支援などを行ってきました。
しかし、僕は今まで一度もインターネットでお金を稼いだことがなかったのです。
僕の今までの収入はレイバーベースフィー、つまり自分が何かしらの価値提供をすることで対価としてのお金をいただくモデルです(VCはファンドであるため厳密には違いがあるのですが割愛します)。つまり、自分の時間・労力と引き換えにお金を手にすることしか僕はやったことがなかったのです。
「そんな自分がVCとしてスタートアップに携わるなんて、ちゃんちゃらおかしいのではないか」、VCをしていた最後の時期はそんなことばかり考えていました。誠実でない気がしていたのと、劣等感を感じていたのと、「自分もやってみたい」という気持ちがそこにはありました。
インターネットでお金を稼がなければいけないのか?
ここまで読んだ方は「なんでインターネットでお金を稼がなければいけないの?」と思うかもしれません。現に、インターネット以外でお金を稼いでいる人、世の中に価値を生み出している人、その対価として富を築いている人はたくさん存在します。
しかし、VC時代に痛感しましたが、インターネットでお金を稼ぐことはエキサイティングです。新しいお金を稼ぐ手段がどんどん生まれ、そこをハックする人、たまたま自分がやりたいことをインターネットを通してやっていたら富を築いてしまった人、ビジネスチャンスを見出す人、、エネルギーや熱量、活力に溢れており、こここそが新たな時代を作ってゆくのだと確信しています。
というわけで、インターネットでお金を稼がなければいけないわけではないですが、僕は稼いでみたい、ということになります。改めて理由をあげると
- マクロトレンドとしてインターネットでお金を稼ぐ力がある人が、新しいビジネスや事業を生み出し、社会にインパクトを与えていく、時代を作るようになる、その流れはより強まる
- そこにはエネルギーと活力が溢れている
- 自分もその中に行きたいと思っている
ということです。「お金を稼ぐ」と繰り返しているのでいやらしい印象があるかもしれませんが、インターネットでは「与えた価値の対価として、お金が帰ってくる」ため、大きなインパクトがあることをするための一番分かりやすい基準でもあると思います。
また、こうした考えでない方にとっても、たとえば副業が一般化してゆく中で、「レイバーベースでしか稼げない」のか「インターネットでお金を稼ぐことができる」のかでいうと、天と地ほどの差が出ると思います、これはマクロトレンドとして確実に断言できます。
何より、私にとっては稼げるということ以上に、得られる機会、そしていつまでも熱量を感じていられるためのツルハシとして、大切にしたいと考えています。
インターネットでお金を稼ぐために
というわけでVCを退職した今、僕は充電期間として、いくつかの方法で「インターネットでお金を稼ぐこと」にチャレンジしています。
レイバーベースで考えればもっといい仕事はいくらでもあるのですが、その試行自体が楽しく、またきっと自分の新たな道を切り開いてくれると信じています。子供がレゴブロックを組み立てるように楽しみながら、新しいチャレンジについてもまたこうしたコラムでご紹介できればと思います。