とうとう日本上陸!リリース1年で時価総額1000億円のアプリ・Clubhouseについて元VCが本気で考察

 
  • 最近Twitterで話題のアプリ・Clubhouseって何?
  • Clubhouseにはどうやって登録すればいいの?日本でも使える?
  • Clubhouseが流行っているのはどうして?

 

こんな方におすすめのライフハックをご紹介します。

この記事で分かること

  • 話題の音声配信アプリ・Clubhouseについて
  • Clubhouseの使い方、流行している理由

こんにちは、東大卒ライフハッカーのチルbotです。

先週末から、日本のスタートアップ界隈、そしてスタートアップへ投資を行うVC界隈がお祭り状態になっています。

その祭りの中心にあるのはClubhouse(クラブハウス)、1年前にβ版の状態で100億円の企業価値をつけた音声配信アプリです。

昨年の春頃、アメリカ・アジア地域を見るVCをしていた私は、海外スタートアップコミュニティでClubhouseが話題になっていたのを観測していたのですが、、1年ほど遅れて日本に上陸したようです。

落合陽一さんをはじめとした著名人(特にビジネスインフルエンサー)がこぞって利用しており、かつて2chに、mixiに、Instagramに出会った時の「インターネット感」を久しぶりに感じています。

恐らくは次は芸能人などが使い始め、一般的にも爆発的な話題を生むのではないかと考えています。

そんなClubhouseについて、元ベンチャーキャピタリストの立場から解説・考察してみました。

Clubhouseとは

リアルタイム音声配信SNSアプリ

Clubhouseは、音声版Twitterと言われているアメリカ発の音声配信SNSアプリです。

2021年1月現在、iOSのみが対応しています。Androidユーザーは使えません。

(アンドロイド対応は未定です)

ClubhouseのAppstotreスクリーンショット

ClubhouseはAppStoreの以下のリンクからダウンロードができます・

https://apps.apple.com/us/app/clubhouse-drop-in-audio-chat/id1503133294

ダウンロードしてアカウント登録した場合、公式からのウェイティングリストに登録されるので利用開始の案内が来るまで待ちます。

そう、AppStore経由ではすぐに利用ができないのです。

すぐに利用を開始する方法については後述したいと思います。

Clubhouseの使い方

ユーザーはアプリ上で「部屋」を作り、「ホスト」になることができます。

「ホスト」は「部屋」に友達を招待することができ、招待された友達は「スピーカー」「オーディエンス」いずれかの役割を担います。

「ホスト」が設定した話題について、「スピーカー」が自由に話し、それを「オーディエンス」が聞くという流れが部屋で進行していくのです。

そして、これらの流れは「音声で」「リアルタイムに」進行します。同期型コミュニケーションですね。

落合陽一さんが話している部屋
部屋には落合陽一さんも

著名人が話している部屋にワンタップで入室可

そんな部屋に、ユーザーはワンタップで入室することができます。

日本で言えば、落合陽一さんやあの有名スタートアップ経営者が話している部屋にワンタップで入り、リアルタイムで話を聞くことができるのです。

(この記事を書いている最中に、自分が入っていた「部屋」で落合陽一さんが突然スピーカーとして参加し始めましたw)

テーマは参加している登壇者が決めるので、非常に様々です。

かつては、D2C経営者のWeb SmithさんがShopifyの話をしていたとき、ShopifyのCEO・Tobias Lütkeが参加したこともあったとか。

Let's goボタンを押せば、すぐに部屋を作成できる
Let’s goボタンを押せば、すぐに部屋を作成できる

2020年にはβ版のみで100億円の企業価値に

そんなClubhouse、実は海外スタートアップコミュニティで話題になったのは1年ほど前の2020年の5月のことでした。

なんとAppStoreにも載っていない状態で100億円もの企業価値がつき、著名なVCから資金調達を行ったのです。

(すごく簡単にいうと、とりあえずアプリを作って限られた人を招待した状態でしかなかったということです)

参考までに、以下のようなディールでした。

・シリーズAにて、時価総額USD100MでUSD12Mを資金調達

・リード投資家はスーパー著名VC・Andreessen Horowitz(a16z)

・リードについては同じく著名VC・Benchmarkとa16zが争った結果、a16zが勝ち取った(超絶人気案件だったということ)。

2021年には1000億円の企業価値で資金調達

そして2021年1月21日、日本に上陸したのと同じタイミングでClubhouseはさらなる資金調達の発表を行いました。

https://www.axios.com/clubhouse-andreessen-horowitz-3a10475a-becd-4483-a81e-9ce76d24e85f.html

調達額は日本円で約10億円、そして企業価値はなんと1000億円にまで跳ね上がりました。

今回のシリーズB調達ラウンドをリードしたのは、既存投資家のAndreessen Horowitzとのことです。

投資家・a16zのコメント

Andreessen Horowitz(a16z)は、投資にあたって以下のようなコメントを残しています。

a16zの投資背景が公開されていること自体素晴らしいですし、Clubhouseのビジョンに共感していたことがわかります。

クラブハウスは2020年の初めにリリースされました。当初は、創設者がいつもたむろしていた1つの「部屋」でした。中に飛び込んで、ローハンとポールと音声のみの素晴らしい会話をして、いつでも好きなときに離れることができます。 Clubhouseは、多くの新しいシリコンバレーアプリと同じように始まり、技術コミュニティの友人や家族がアルファ版またはベータ版の製品を試していましたが、PaulとRohanが新しい機能を急速に構築するにつれて急速に成長しました。最初のトライアルユーザーはより多くの人々を招待し始め、クラブハウスコミュニティは急成長し多様な人々と会話のセットを迅速に包含しました。趣味、文化、キャリア、好奇心を中心にグループが急速に形成され始めました。アプリでの私の時間が週に12時間以上に達したとき、クラブハウスは特別なものであることがすぐにわかりました。コミュニティが数百人から毎週200万人近くのユーザーに成長するのを見るのは信じられないほどです。 PaulとRohanは、アプリの拡張をサポートする帯域幅の構築に取り組んでいる間、アプリを頻繁に使用してユーザーと交流し続けています。

クラブハウスは、ソーシャルメディアにとってこれ以上の時期には到来しなかったでしょう。コンテンツの消費体験から人々が互いに関わり合う方法まで、すべての正しい方法でカテゴリを再発明し、その作成者に力を与えます。

通常、画面を見つめるのに何時間も費やす必要があるソーシャルメディアの状況では、Clubhouseを使用すると、聴きながらマルチタスクを実行できます。ポッドキャストのように、散歩したり、洗濯物をたたんだり、運動したりしながら聞くことができます。講義や講演に参加するなど、夜の目玉にもなります。しかし、インタラクティブでもあるので、何か言いたいことがあれば、手を挙げてチャイムを鳴らすことができます。人々の話を聞いているので、Clubhouseは、高度に編集された静的なものを消費するだけでなく、リアルタイムでアイデアを交換することを目的としています。コンテンツ。これは、オンラインのソーシャルエンゲージメントに人間性とコンテキストをもたらす新鮮な体験です。

Clubhouseを使用すると、ユーザーは微妙で詳細なアイデアを会話で伝えることができます。すべてが一口サイズまたはtl; drである必要はありません。ディスカッションや探索に報いるため、ビデオクリップや短い投稿の反対です。人々が夜遅くまで話し、最終的にアプリを開いたまま眠りにつく部屋を見てきました。私は政治的スペクトルのさまざまな側面からの人々の間の多くの相互作用に耳を傾けてきました、そしてそれはあなたが素晴らしいディナーパーティーで得るものと同じように会話をもたらすことがよくあります。ある程度の対立や誤解は避けられないかもしれませんが、これらの課題がないソーシャル企業はありません。チームは、オンラインでのコミュニケーション方法を再考し、信頼できる安全な人々の声を聞くためのスペースの構築に取り組んでいます。

そして、ポールとローハンのクラブハウスに対するビジョンの中心にあるのはクリエイターです。これらは、部屋を整理し、友達を招待し、毎週ショーを主催するコミュニティのメンバーです。それらは製品の核心です。チームは、部屋やクラブのモデレートを容易にする機能を構築しているほか、クリエイターと協力して、クラブハウスのコミュニティの成長に合わせてエコシステム全体に報いるビジネスモデルを開発しています。この方向性が、過去にソーシャルネットワークをサポートしてきた典型的な広告ベースのビジネスモデルとは対照的であることが大好きです。これにより、クリック数やボリュームではなく、コミュニティと品質を中心にエクスペリエンスが実現します。

Clubhouseチームと提携し、コミュニティ、製品、ビジネスの構築を支援できることを楽しみにしています。 Clubhouseを世界の隅々まで行き渡らせ、人々が話したり聞きたいと思うトピックを継続的に広げたりするには、まだやるべきことがたくさんあります。エキサイティングな乗り物になるでしょう。

https://a16z.com/2021/01/24/investing-in-clubhouse/

Clubhouseの特徴

Clubhouseが優れている特徴を5つほどピックアップしてみました。

特徴①:過処分時間の侵食、音声×リアルタイム

可処分時間とは

可処分時間とは、人が自由に使える時間のことを指す言葉です。

経済学では自由に使えるお金のことを可処分所得といいますが、この概念が時間に置き換えられたものです。

例えば1日の可処分時間は万人共通で24時間ですね。

世界は、人の可処分時間を埋めるように様々な商品やサービスを生み出してきました。

余暇の可処分時間については、車やレジャーやコンテンツを、というような形に、です。

耳の可処分時間が注目

テキストや画像、動画といった視覚を必要とするコンテンツに比べて、音声コンテンツは聴覚さえ空いていれば消費可能です。

つまり、寝ている時以外全ての時間が音声コンテンツにとっての、つまり耳の可処分時間になるのです。

通勤・通学時に音楽を聞いたり、運転しながらラジオを聞くことができるのを考えればわかりやすいと思います。

コンテンツにとっての可処分時間の最後のフロンティア、耳の可処分時間を狙いPodcastなどの音声サービスが最近勃興しています。

Clubhouseはその代表格と言えるでしょう。

日本でいうと、中川綾太郎さんがCEOを務めるnewnが開発・提供するstand.fmなどが同類サービスだと言えます。

特徴②:配信を容易にする仕組み、複数×セレンディピティ

Clubhouseのようなコンテンツ配信PFについては、ユーザーがコンテンツ制作とその発信をし易くする仕組みが重要だと言われています。

別の言葉にすると「ユースケース」と呼ばれます、「こんな感じでコンテンツ作ればok」ということをPFが規定してコンテンツ制作のハードルを下げるのです。

Instagramで言えばフィルターをかけた写真、TikTokで言えばダンスやリップシンクが該当します。

それでは、音声コンテンツを配信し易くするためにはどのような要素が必要なのでしょうか。

まず、音声コンテンツは「会話の延長」であるため、当然1人よりも複数人での方が配信しやすいでしょう。

そして、同じ人と話しているとマンネリ化するので、新しい人がスピーカーとして入ってこれるようなセレンディピティの要素があると、配信を続け易くなります。

Clubhouseはこれらの要素をしっかりと満たしていると考えられます。

特徴③:配信を促すインセンティブ、クローズド×熱量

これは実際に入ってもらうとわかるのですが、アプリ上とは言え「同じ部屋」にいる一体感はなかなかのものです。

百聞は一見にしかずなのですが、本当にすぐそこで落合陽一さんが話しているような錯覚に陥ります。

ラジオが愛される理由の1つにも「リアルタイムで話を聞いている一体感」があるかと思います。

こうしたホスト、そしてリスナー同士で共有する熱量が、クローズドな部屋の中で保たれるようになっているのです。

特徴④:ソーシャルグラフが資産に

Clubhouseで配信してオーディエンスが集まるのは、「知名度がある人の部屋」です。

知りもしない人の音声配信をわざわざ聞きたいという人はいないでしょう。

つまり「現実世界や他のPFでのソーシャルグラフを資産として活用できる」と考えられます。

これにはアテンション最大化型の迷惑コンテンツを抑制する効果があり、PFの質を健全に保つ効果があるとも考察されます。

特徴⑤:スムーズな配信を可能にするテクノロジーとUX

使っていただくとわかると思うのですが、音声配信あるあるのノイズが全くありません

複数人で話していても、雑音が全く入らず非常に聞き取りやすい質が保たれています。

さらに、iPhoneをしばらく触らずにロック状態になってしまっていても、視聴・配信どちらも継続できるようになります。

アプリを使っていることすら忘れ、本当にすぐそこにいる人と話したり、話を聞いたりしているような錯覚に陥ります。

こうした細かいUXも、ユーザーのことを徹底的に考え抜いた結果、実現できたものでしょう。

Clubhouseの登録の仕方

Clubhouseは招待されなければ登録できない

残念ながら、この記事でClubohouseを知ったあなたが今すぐClubhouseに登録するのはほぼ不可能です。

なぜならClubhouseは2021年1月現在、招待制を取っているからです。初期のmixiを思い出しますね。

Clubhouseの既存ユーザーは、新規ユーザーの招待枠を2枠のみ与えられ、電話番号を利用したSMS経由で招待ができます。

既存ユーザーから招待された人のみがClubhouseに参加する権利を手に入れることができるのです。

この仕組みには以下のような効果があると考察されます。

①Clubhouseコミュニティの質の保全(貴重な2人の招待枠を使ってどうでもいいやつを招待するやつはいない)

②バイラル形成(参加が難しいからこそ「参加してみたい!」「使ってみたい!」という人が増えて話題を生むのです)

③ユーザーオンボーディングの担保(知り合いから招待された人であれば、少なくとも1人のソーシャルグラフができます)

知り合いがいない人がClubhouseに登録する方法

というわけで、知り合いにClubhouseユーザーがいない人は登録を諦めざるを得ないです。

・・・が、そんなあなたでもClubhouseに登録できる方法がたった1つだけ存在します。

なんと、メルカリで1万円前後でClubhouseのInvitationが販売されているので、我こそはという方はご購入くださいw

(個人的には、昔のインターネットの祭り感があって非常に好きな流れですw)

Clubhouseの招待はメルカリでも販売されている
Clubhouseの招待はメルカリでも販売されている

まとめ:Clubhouseは次のビッグPFになり得るか?

コンシューマー向けアプリで、久しぶりに全世界を巻き込むムーブメントとなっているClubhouse。

質の高いユーザー層が保たれており、意味のある議論に時間が使われて荒らしが存在しない。

そんな様子は、かつての「優しいインターネット」を感じさせます。

たくさんの人が利用するようになると、この「優しいインターネット感」もすぐに失われてしまうのかと考えると少し寂しくなります。

個人的には、Clubhouseは一大ムーブメントになると考えています。

論理的な考察は上述の通りですが、何より様々なインターネットサービスの隆盛をみてきた直感が「これは久しぶりにビッグウェーブくるぞ!」と言っています。それを期待してしまっているのかもしれませんw

恐らく皆さんの周りでも利用者がどんどん増えるであろうClubhouse、いち早くそのビッグウェーブに乗っていただきたいなと思っています。

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