東大を卒業後、戦略コンサルで勤務していた「チルbot」です。裸眼生活を手に入れたICL手術、未経験からのコンサル転職、英会話などのスキルアップ術など、「やってよかった!」と自信を持っておすすめできる実体験を紹介しています。
皆さんは、何かを買ったり、サービスを選ぶ際にどのような基準で決めますか?
私の場合、まずはその商品やサービスの業界、そして運営会社の分析を行います。運営会社の経営状況や拡大状況を分析すると、商品やサービスからは見えないリスクが見えてくるからです。脱毛についても、実は経営難に陥る脱毛サロンやクリニックは数多く、脱毛が受けられず返金もされない最悪の状況に追い込まれる被害者は後を絶ちません。
今回は、男性専用脱毛サロン・湘南美容クリニックについて、運営会社や事業の分析をしたいと思います。脱毛を検討している方はもちろん、ビジネスパーソンの方にも役立つ内容になっているはずです。
※私たちのステマ規制への対応方針:当サイトの運営にあたっては、実体験を基に公平性・客観性を心がけ、読者の皆様を第一に取り組んでいます。企業から商品提供や広告依頼を受け、広告/PRの内容が含まれる場合もありますが、コンテンツの基準や判断軸には一切関与させておりません。
湘南美容クリニックの分析
それでは早速ですが、湘南美容クリニックについて、以下の5つのポイントから分析していきたいと思います。
- 会社情報
- 会社の歴史・沿革
- 事業・サービスのポジショニング
- 規模拡大に無理がないか
- 採用・研修など人材投資の状況
それぞれのポイントで何をチェックするか、どんなことが見えてくるかを簡単に解説しますね。
会社情報
「会社情報」では、運営会社や社長など基礎的な会社の情報を整理します。
かつては元ホストの社長が経営していた脱毛サロン・エタラビが破産を迎えたこともあります。もちろん経歴が全てではありませんが、ネガティブな情報がないかどうかをチェックします。
会社の歴史・沿革
「会社の歴史・沿革」では、主に「事業売却を繰り返している歴史がないかどうか」をチェックします。
実は多くの脱毛サロンは事業売却を繰り返しています。例えば女性専用の脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」は、「ジンコーポレーション→RVH」、「RVH→G.Pホールディング」と2回事業譲渡をされた経緯があります。そして1回目は事実上の経営破綻、2回目は営業損益6億5000万円で赤字の状態でした。
事業売却を繰り返している脱毛サロン・クリニックは、将来再び売却され得る不安定な経営状況にあると思われるのです。
事業・サービスのポジショニング
「事業・サービスのポジショニング」では、競合に対してどのような立ち位置で事業を行っているかをチェックします。
脱毛サロンは根本的には差別化が難しく、参入障壁も比較的低い事業です。そのため脱毛市場が成長しているとはいえ、差別化ができておらず、他社に真似されてしまうような立ち位置のサロン・クリニックは将来的に脅威に晒されるはずです。
他者が真似しにくく、中長期的に安定するような事業・サービスの立ち位置が取れているかはどんな事業でも重要です。
規模拡大に無理がないか
「規模拡大に無理がないか」では、CMや広告などの「プロモーション」、そして「店舗数の拡大」の2つをチェックします。
脱毛サロンの典型的な失敗例として「規模拡大を急いで債務超過に陥る」というものがあります。実際に「エタラビ」「脱毛ラボ」「ミュゼ」などの脱毛サロンは、2016年ごろに有名タレントを起用したCMキャンペーンを立て続けに行っています。
その結果、高額な広告費用を回収しきれないだけでなく、店舗拡大が追いつかず、予約が取れない状況から苦情が殺到しました。そしてこれら全ての会社が経営難に追い込まれているのです。
脱毛サロン・クリニックのプロモーション、無理ない店舗拡大は経営の安定性を図る重要な指標だと考えています。
採用・研修など人材投資の状況
「採用・研修など人材投資の状況」では、安定して人材採用や人材への投資を行なっているかをチェックします。
実はどんな会社でも採用や求人の状況は、企業の安定性を図る非常に重要な情報です。例えばパートタイムの採用ばかりだと、不安定な経営状況でいつでもリストラできる人員を求めているとも解釈できます。一方で正社員採用や新卒採用がある場合は、中長期的に雇用を行い人材投資をしようという経営姿勢や安定性が見て取れます。
そしてそもそも採用や求人がない場合は事業進捗が思わしくないシグナルにもなるのです。
採用・求人状況は、スタートアップなど含めてなかなか企業情報が出てこない会社に対して非常に有効な分析項目なのです。
湘南美容クリニックの会社情報
それでは、まず「湘南美容クリニックの会社情報」について、運営会社や社長など基礎的な会社の情報を見ていきましょう。
湘南美容クリニックとは
湘南美容クリニックは、「究極の3方良しを実現する」というビジョンのもと、医療レーザー脱毛サービスを提供する総合美容クリニックです。脱毛サービス以外にも、美容整形、AGA薄毛治療、審美歯科治療など、男性のお悩みに応えるあらゆるサービスラインが揃っており、国内外にクリニックを展開しています。
湘南美容クリニックの運営会社・会社概要
湘南美容クリニックの運営会社は、2000年3月に設立された「SBCメディカルグループ」です。
美容クリニック国内最大手であり、医療法人湘美会、医療法人孝和会、医療法人菜寿会、医療法人愛恵会、医療法人樹慶会などさまざまな医療法人をグループ内に保有しています。
「医療法人」は通常の会社である「法人」とは異なり、医療法の定めにより、病院・医師が常に勤務する診療所または介護老人保健施設を開設する組織です。 医療法人の設立にあたっては定款または寄附行為を作成し、診療業務に必要な施設や資産を有して各都道府県知事から認可を得る必要があるのです。
後述しますが、湘南美容クリニックは医療機関しか提供できない「レーザー脱毛」を提供しています。一方で、「脱毛サロン」で提供される「光脱毛」は資格なしで提供できるものです。
事業内容 | 病院経営、専門医療、美容医療、商品開発、保険診療から自由診療までのトータル医療サービス |
創業 | 2000年3月 |
従業員数 | 5,000名(2022年10月時点) |
グループ会社 | 医療法人湘美会、医療法人孝和会、医療法人菜寿会、医療法人愛恵会、医療法人樹慶会、株式会社湘美会、ランジェコスメティーク株式会社、SBCメディカルグループ株式会社 |
本社所在地 | 〒163-1312 東京都新宿区西新宿6丁目5番1号 新宿アイランドタワー3F |
湘南美容クリニックの社長・経営者
湘南美容クリニックの運営会社、SBCメディカルグループの創業者、そして代表院長は相川佳之氏です。相川氏は2000年に「湘南美容外科クリニック」を開院、その後SBCメディカルグループを設立して日本最大の美容クリニックへと導きます。
著書やTV出演も多く、東日本大震災への支援やカンボジアでの小学校建設など数々の社会活動にも携わっています。
相川氏は湘南美容外科クリニックを4人で開院した時から「日本で最もお客様に来ていただける美容クリニックにする」と決めていたそうです。開院当初の10年で100院という目標は、2020年に101院・従業員4354人に到達して見事達成されました。
そして「2035年までに日本で最もお客様が来てくれる医療グループになる」という更なる目標も掲げています。
年 | 出来事 |
---|---|
1970年 | 誕生 |
1991年 | 日本大学医学部に入学 |
1997年 | 日本大学医学部卒業。医師国家試験合格。同年、現在のがん研有明病院麻酔科に勤務 |
1998年 | 都内大手美容外科に勤務 |
2000年 | 日本大学医学部を卒業後、神奈川県藤沢市に「湘南美容外科クリニック」を開院 |
以上より、湘南美容クリニックの会社情報には特にネガティブなものは見当たりませんでした。
湘南美容クリニックの歴史・沿革
続いて「湘南美容クリニックの歴史・沿革」について、事業売却の繰り返しなどネガティブな歴史がないかをチェックします。
湘南美容クリニックの歴史は、2000年の湘南美容外科クリニックの開院まで遡ります。そのまま順調に規模拡大を続け、2007年には上海に初の海外展開を行い、現在の国内最大手の座に至ります。
年 | 出来事 |
---|---|
2000年 | 相川佳之が神奈川県藤沢市に湘南美容クリニックを開院 |
2001年 | 初の分院となる横浜院を開院。安心リラックス麻酔を開発。 |
2003年 | 新宿アイランドタワー内に新宿本院を開院。また初の著書となる『医師が教えるビューティ バージンロードの歩き方〜はじめての美容医療で迷わず綺麗になる〜』、『愛される匂い美人になる。』を出版。 |
2014年 | 渋谷院、大阪院、名古屋院を開院。 |
福岡院、大宮院、千葉院開院。 | |
2007年 | 湘南美容・歯科、新宿ANNEX院、札幌院開院。初の海外開院(上海) |
2008年 | 南青山メディカルエステティック表参道院、町田院、川崎院、柏院開院。 |
2009年 | 立川院開院、SBC新宿近視クリニック、池袋院、南青山メディカルエステティック南青山院開院。 |
大阪心斎橋院、SBC新宿近視クリニック大阪院開院。 | |
SBC新宿近視クリニック横浜院、上野院開院。 |
これ以上なく順調に経営・成長を遂げていると思いますが、当初は試行錯誤の連続だったようです。
何かに特化することが怖くて、何でもできますと、広く浅くやっていこうとしていましたが。でも、これではなかなか勝てない。競合が多いときほど、“狭く深く”特徴を出すのが大事です。
また、他業種の成功事例を持ち込むことも徹底しており、料金設定をオープンにしたり、ビフォー・アフター写真をホームページに公開するなど、当時美容クリニックとしては異例だった情報開示を徹底的に実施したそうです。
また経営者のインタビューメディア「SUPER CEO」に相川氏のインタビューが掲載されており、相川氏の経営方針を垣間見ることができます。ライバルを徹底研究して独自の強みを作り、採用と教育を通した人材投資にが重要だと述べており、僭越ながら、20年以上最前線に立ち続けるだけある非常に優秀な経営者だと感じました。
- 徹底した競合調査と、自身のナンバーワンづくり
- 最強のチームを作る採用と教育
以上より、湘南美容外科クリニックの歴史・沿革には特にネガティブなものは見当たりませんでした。
湘南美容外科クリニックの事業・サービス内容
続いて「湘南美容外科クリニックの事業・サービス内容」について、湘南美容外科クリニックが競合に対してどのような立ち位置で事業を行っているかをチェックしていきましょう。
若干ネタバレになりますが、私は湘南美容外科クリニックは以下のように、医療脱毛×施術の幅広さで独自のポジショニングができていると分析しています(左下の美容脱毛×脱毛専門は激戦区です)。
湘南美容外科クリニックの特徴①:医療レーザー脱毛
湘南美容外科クリニックの特徴の1つ目は病院・医師が常に勤務する「医療法人」として「医療レーザー脱毛」を提供していることです。
脱毛には主に以下の3種類があり、レーザー脱毛は医師免許・看護師免許などの資格がなければ提供できないのです。
光脱毛 (美容脱毛) | ニードル脱毛 (美容電気脱毛) | レーザー脱毛 (医療脱毛) | |
---|---|---|---|
処置 | 光で毛根にダメージを与える | 針を刺し電流で一本ずつ処理 | レーザー光で毛根を破壊する |
特徴 | 2000年代に登場した 最も新しい脱毛方法。 近年でも新しい手法が登場。 | 150年近い歴史を持つ脱毛方法で、 ダンディハウス・メンズTBCなど 歴史あるクリニックが主流 | 1980年代に登場した 比較的新しい脱毛方法。 費用は高額でお試しはない |
効果 | 弱い | 強い | 強い |
痛みの弱さ | 弱い | かなり痛い | かなり痛い |
お試しの費用 | |||
自己処理を減らすために 必要な通院数と費用 | 8〜10回 (8〜10万円) | 5〜6回 (15〜20万円) | 5〜6回 (7〜9万円) |
ツルツルにするために 必要な通院数と費用 | 〜25回 (20-22万円) | 〜15回 (25-35万円) | 〜13回 (13-18万円) |
湘南美容外科クリニックでは、医療脱毛であるレーザー脱毛に加え、手軽にできる光脱毛も併せて提供しているようです。
湘南美容外科クリニックの脱毛機械
湘南美容外科クリニックの脱毛機器は、ウルトラ美肌脱毛とメディオスター、ジェントルレイズの3種類です。
ウルトラ美肌脱毛はIPL式の美容脱毛機で、メディオスター・ジェントルレイズは医療脱毛機となっています。メディオスターは蓄熱式と呼ばれる仕組みで産毛や薄い毛にも効果がありますが、一部の院のみの扱いです。
ウルトラ美肌脱毛 | メディオスター | ジェントルレイズ | |
---|---|---|---|
対象院 | 全ての院 | 一部の院のみ | 全ての院 |
脱毛の種類 | 美容脱毛 (光脱毛・IPL) | 医療脱毛 (ダイオードレーザー) | 医療脱毛 (アレキサンドライトレーザー) |
概要 | 毛根のメラニン色素に反応する光を照射、発熱。発毛を促す毛母細胞や毛乳頭にダメージを与えて発毛を抑制する | 発毛を促すバルジ領域に弱いレーザーを繰り返し照射、熱ダメージが蓄積されバルジ領域が破壊され発毛が抑制 | 毛の黒い色に吸収されるレーザー光線を照射、毛にレーザーが当たると熱を放出、熱で毛を成長させる組織を破壊 |
即効性 | 2週間程度で毛が抜ける | 2週間程度で毛が抜ける | 1週間程度で毛が抜け落ちる |
痛みの弱さ | 少ない | 少ない | 普通 |
肌質の相性 | メラニンに反応するため日焼け肌はNG | 日焼け肌もOK | メラニンに反応するため日焼け肌はNG |
毛との相性 | 濃くて太い毛:◯ 産毛や薄い毛:△ | 濃くて太い毛:◯ 産毛や薄い毛:◎ | 濃くて太い毛:◯ 産毛や薄い毛:△ |
これら3つの脱毛機を目的や箇所によって使い分けて施術を行なっているのです。
湘南美容外科クリニックの特徴②:トータルメンズ美容クリニック
湘南美容外科クリニックの特徴の2つ目は、脱毛以外にも男女のあらゆる施術に対応した「トータル美容クリニック」であることです。湘南美容外科クリニックが対応している施術には以下のようなものがあります。
- 二重・目元整形
- 若返り・エイジングケア
- 小顔整形・フェイスライン
- 鼻整形
- 美容皮膚科
- 医療脱毛・医療レーザー脱毛
- 医療レーザー外来
- しわ取り
- 医療ダイエット・部分瘦せ
- 脂肪吸引
- お腹 部分痩せ
- 二の腕 部分痩せ
- 太もも 部分痩せ
- 顔 部分痩せ
- 豊胸・バストの修正
- ワキガ・多汗症治療
- 婦人科形成
- 刺青(タトゥー)除去
- 美容点滴・美容注射
- 内服・外用薬・その他商品
- アートメイク
- 他院修正
- その他の特殊治療
- 男性美容
- 歯列矯正
- インプラント
- ホワイトニング
- 薄毛治療
- 視力回復・屈折矯正
- 整形外科
- 不妊治療
- ホルモン治療関連
- 健診関連(健康診断・人間ドック・乳がん検診・胃カメラ)
男女双方に向けてこれだけ多くの診療内容・施術を揃えた美容クリニックは、湘南美容外科クリニック以外にはありません。
脱毛やスキンケアで湘南美容外科クリニックを利用した患者は、薄毛やニキビ治療などが気になったときにも、また湘南美容外科クリニックを利用しようと思うことでしょう。ビジネス的に言うとクロスセルが見込めて顧客1人あたりLTVが伸びると言うことです。
つまり、顧客からの収益源が脱毛サービスのみの脱毛専用サロンに対して、収益基盤は安定しているといえます。一方で、多くの施術メニューを用意するために、スタッフの専門性や治療器具も加えて必要になると欠点もあります。
また、総合力では間違いなく国内No1だと思いますが、「なんでもできる」湘南美容外科クリニックに対して、ゴリラクリニックなどが「男性専用」というポジショニングで新規参入しているということでしょう。
以上より、湘南美容クリニックの事業・サービス内容については、「国内No1の規模」「医療脱毛」「圧倒的に幅広い施術」と言う差別化ができていると評価します(差別化よりも王者の戦略というほうが正しいかもしれません)。
規模拡大に無理がないか
続いて4つ目のチェックポイント「規模拡大に無理がないか」では、CMや広告などの「プロモーション」、そして「店舗数の拡大」の2つについて無理な規模拡大が行われていないかをチェックします。
湘南美容外科クリニックのCM・広告
まず湘南美容外科クリニックのCMや広告などプロモーションの状況ですが、有名人を起用したテレビCMの放映を行っているようです。
男性向けのCMでは、元V6のメンバーで「奇跡の40代」と呼ばれる三宅健さんを起用しています。また女性向けのCMではファッションモデルの桃(momo)さんや、女優の美帆さん、元アナウンサーの馬場典子さんといった知名度はまだそれほど高くない方を起用しています。かつては代表の相川佳之氏が出演していたこともあったようです。
かつて有名人のCMによって脱毛サロンの倒産が相次いだことを踏まえると「これは危ないシグナルではないか?」と思う方もいるかもしれません。しかし私は決してそんなことはないと分析しています。
倒産した脱毛サロンと、20年以上トップランカーとして経営を続けている湘南美容外科クリニックの違いは、盤石な経営基盤にあります。脱毛サロンはCMで新しく顧客獲得をしなければその費用を取り返せずに潰れてしまうのに対し、湘南美容外科クリニックは脱毛以外にもサービスラインが充実しており、適切な費用を広告費に充てられているはずです。
つまり重要なことは「有名人を起用しているか」「TVCMを放映しているか」という表面的な活動ではなく、それを支える経営基盤や財務状況にあります。急拡大する脱毛サロンがTVCMに走ってしまうのは問題ですが、20年かけて基盤を築いた湘南美容クリニックがこうしたTVCMなどを実施するのは、まさに王者にしかできない王者の戦略でしょう。
また、代表の相川氏によると、最近はSNSを利用したプロモーションも活用しているようです。
僕が開業した当時は、テレビCMや雑誌広告といった方法しかありませんでしたが、今はそういったものを使わなくても、InstagramやTwitter、YouTubeといった無料で活用できるSNSがあります。特にInstagramの効果は絶大です。
https://superceo.jp/tokusyu/passionleaders/100795
湘南美容外科クリニックの店舗数拡大の状況
続いて湘南美容外科クリニックの店舗数拡大の状況ですが、2022年12月現在で、国内外に127院を展開しています。
湘南美容外科クリニックが開院したのは2000年ですが、それから20年以上の時間をかけて地道に拡大をしてきたと思われます。医療脱毛に必要な資格をもち、幅広い施術に対応したスタッフの採用がボトルネックになっていると思われますが、そのおかげで急な規模拡大によるリスクを抑えられていると私は評価しています。
積極的な広告や店舗数拡大などの規模拡大は、順調な時は問題ないですが、新規顧客が獲得できない・解約が相次ぐなど逆回転を始めると一気にリスク要因となり、それで破産した脱毛サロンは数知れないからです。
以上より湘南美容外科クリニックの規模拡大に無理がないか、について私はポジティブな評価をしています。
採用・研修など人材投資の状況
続いて5つ目のチェックポイント「採用・研修など人材投資の状況」では、湘南美容外科クリニックが安定して人材採用・人材への投資を行なっているかをチェックします。
採用状況
まずは採用状況について、運営会社であるSBCメディカルグループの採用ページをチェックすると、医師や看護師、カウンセラー、更にはメディカルサポーターやコーポレート部門など幅広い正社員雇用を行なっていることがわかります。
何より特徴的なのは、医師や看護師、総合職などについては新卒採用も実施している点です。一般的に新卒採用は、採用してからの教育・研修が必要なので中長期的に人材投資をする体力がある企業でなければ実施していません(スタートアップが新卒採用を行わずに中途採用や業務委託ばかりなのはこれが理由です)。
安定した大企業にまで成長した湘南美容外科クリニック、その中長期的に人材投資をする姿勢や意志を、正社員雇用や新卒採用から押しはかることができるのです。代表の相川氏のインタビューでもその方針を垣間見ることができます。
クリニックを開業したとき、とりあえずどんな人でも採用して、きちんと教育すればみんな成長してくれると信じていましたが、とある人材教育セミナーに参加し、「神様がつくったものを教育ごときで変えようということ自体、あなたは間違っている」と言われ、考えが変わりました。「カエルはカエル。ライオンの仔をとらない限りダメなんです。だから、教育の前に採用なんです」と言われました。
確かにそうです。組織の理念に合わないけど、仕事ができるからと採用すると、内部をめちゃくちゃにされます。かといって、能力は低いが、良い人だからと採用しても、数字が出ない。本当に腑に落ちました。組織の理念に共感し、やる気があって、優秀な人材を入れることがとても重要なんです。
https://superceo.jp/tokusyu/passionleaders/100795
研修
続いて研修内容について、同じく運営会社であるSBCメディカルグループの採用ページをチェックすると、医師や看護師だけでなく、総合職なども含め、多くの職種に3ヶ月以上の研修制度が用意されていることがわかります。何よりも、それぞれの職種に対して専用の採用ページを用意するところから採用への力の入れ方が見て取れます。
評価項目 | 研修内容 |
---|---|
医師 | 研修(試用期間):3ケ月程度(最長6ケ月) |
看護師 | 6ヶ月 ※この間は有期契約 |
総合職・受付カウンセラー職 | 入社前:内定者研修 入社:入職研修(合同研修)、新卒社員向け入職研修 入社1年目:新卒社員向けフォローアップ研修、6ヶ月目研修、新卒担当プリセプター研修 入社2年目以降:新卒担当プリセプター研修、新卒担当メンター研修、他多数 |
歯科衛生士 | プリセプター制度(OJT制度) メンター制度 内部研修 オンライン学習 外部研修 |
研修制度は、人材への投資の表れでもあります。必要が無くなったら首を切れば良い、ではなくて中長期的に人材を育成して継続的に働いてもらいたいという意志が表れていると私は感じました。
以上より、湘南美容外科クリニックの採用・研修など人材投資の状況、について私はポジティブな評価をしています。
湘南美容外科クリニックの分析
以上、5項目による湘南美容外科クリニックの評価をまとめると以下の通りです。
私個人としては、間違いなく美容外科クリニック業界で長く経営を続ける王者として、中長期的な目線での経営をしており、破産や倒産のリスクは低いのではないかと分析しています。
評価項目 | 湘南美容外科クリニックの評価 |
---|---|
会社情報 | |
会社の歴史・沿革 | |
事業・サービスのポジショニング | |
規模拡大に無理がないか | |
採用・研修など人材投資の状況 |
まとめ
脱毛クリニック・湘南美容外科クリニックの運営会社や事業の分析をさせていただきました。こうした内容を踏まえると、脱毛サロンやクリニックを選ぶ際に役立てられるのはもちろん、世の中がまた違って見えてくるのではないでしょうか?
ぜひ皆さんも身近な業界やサービスについて分析をしてみてください!参考になれば嬉しいです!